「ムーンショット」ジョン・スカリー著

本書はペプシコーラをコカ・コーラの競合までに育て上げ、ジョブズと共にアップル社で働き、そこからもベンチャー企業育成に関わってきた人の社会の見方が述べられた本だ。
シリコンバレーの人たちが述べるような起業論にとどまらず、これからの一般的な働き方、中流層と呼ばれる人々のライフスタイルの移り変わりについての洞察も加えながら、働く人はこれから何を考えるべきかを述べている。

[見解]
これからの企業経営はキャッシュフローよりも顧客満足度を重要な指標とする。顧客の意見は瞬時に共有され、企業を世界の大企業にすることもできる。
また、そのような顧客目線を取り入れた新たなビジネスが増える一方で従来の先進国中流層のような多くの所有と消費は起こらず、シェアによるライフスタイルが多数派になる。

[比較と特徴]
シリコンバレーの有名人が起業を語る本としては他に「BOLD」http://kazunotesu.jp/blog-entry-107.html?spなどがある。そちらはテクノロジーへの言及が多い。
ビジネスモデルや社会構造からこれからの社会での事業を考えるのであれば、本書の方が優れているはずだ。スティーブ・ジョブズやラリー・ペイジのエピソードも登場しており面白く読み進められるだろう。
http://www.itmedia.co.jp/news/spv/1611/25/news062.html
著者のジョン・スカリー氏についての紹介とインタビューの載っている記事があったため合わせて紹介しておく。

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未来予測の投資論~未来の社会を考えて経済を読みとく視点を述べた本

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事業運営論~事業の形を述べ、そこに未来の変化を反映して考える視点を述べた本

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1万年の未来予測~ついでに1万年後まで考えてみたくなったときに読む本



「習近平はいったい何を考えているのか」丹羽宇一郎著

伊藤忠商事の社長、駐中国大使を歴任し、日本中国友好協会会長を務める著者が現在の中国の実態と今後の見通しについて述べた本。
特にタイトルの通り習近平国家主席に注目していて、権力基盤を強めたあと、中国をどのような姿に変えていこうとしているのかを分析している。

[見解]
中国の経済は安定的成長期に入っており、広い国土でのばらつきや年による変動はあるものの産業シフトをしつつ成長を続ける。また、共産党の独裁体制は数十年かけて民主主義的体制になる。
支える考えは、
・経済成長と生活の向上から政治参加の要求は高まる
・中国政府は教育への投資を行ってきて、留学者数も既に日本人よりアメリカの大学で多く中国国民の意識は高まっている
・中国国有企業は海外企業の買収による人材獲得を進めており、政府による合理化も敢行されている 等
[特徴と比較]
世界の主要な市場である中国を、中国に最も詳しい人が解説する本である点が重要な特徴。特に習近平は2022年まで主席でありリーダーシップを発揮している人物なので、その政策を解説していることは今後数年間の経済予測についてとても有意義であると言える。
本書は中国について詳細に述べたものであり、比較するとすれば10年以上前の大前研一氏の著書などになると思う。ただ、情報の新しさから言えば本書がおすすめである。
中国も含めた世界の未来についてで言うと、ダボス会議の予測する未来http://kazunotesu.jp/blog-entry-133.html?sp他、数々の未来予測の本がより幅広いテーマを扱っている。
(参考になる他の人々のサイト)
http://long-net.com/2926
日中通信社による丹羽宇一郎氏のインタビュー。中国でのビジネスの実態に焦点をあてている。

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事業運営論 :「事業を運営するため」という観点から未来予測等の情報を整理する技術を述べた本

ビジネス英語なら GlobalEnglish 日経版

「新・所得倍増論」デービッド・アトキンソン著

日本の生産性の低さをゴールドマン・サックスの元パートナーが各種統計を使いながら根拠を出して解説し、問題点の分析を行い、解決案を出している一冊。

かつてゴールドマン・サックスは日本のバブルを大蔵省より早く見抜いたというが、そのチームの主なメンバーである。また、銀行の適正な在り方を考えて公表したところ金融庁はそのように動いたと言われる。(もし本当にそうだとしたら、金融庁は・・・むしろ考えつかなかった手法を理解して政策にし成果を出した、オープンでイノベーティブな存在と言えなくもない)
本の宣伝やタイトルだけみると胡散臭そうな印象を与えるが、内容は過去の資料まで検証を行い、本格的である。

[見解]
日本の生産性は過去も今も改善の余地があり、企業経営には改善の余地がある。特に観光と輸出産業はのびしろが大きい。
この見解を支える考えは、
・日本は技術と勤勉で世界2位の経済大国になったと考える人が多いが、人口一億人を超える数少ない大国だったことが要因であり、プラザ合意などの為替変動を調整すると生産性はピーク時でも世界3位だった
・今は国民の生産性は27位であるが、研究開発の投資額が世界3位であることや高度技術者の数からは伸びる余地がある
・人口の半分のドイツに輸出総額が負けている。技術力に差がないので営業努力不足が疑われるところ、海外出国者数の極端な少なさはそれを裏付けている
・京都は民間開発の結果ほとんど普通の街並みであり、観光業をのばす意識は西欧に比して低い。観光資源がありながら観光業のGDP比率は他国よりだいぶ低い

なお、本書では具体的な数値の入った統計を、著者が国際機関のデータを加工して作成して掲示している。また、大企業や中小企業の問題、バブル当時のヒアリングのエピソードなども少し出てくる。
[比較と特徴]
主張は観光と輸出、というトピックを強化している他、主に民間企業の生産性に改善余地があるというものであり冨山和彦氏や竹中平蔵氏の考えに近いと思われる。
ただ、それより強烈なことに上場企業に対してもさらなる投資・生産性向上を求めるべく政府が年金基金を通して主張したらどうかと提案しているというのは特徴的である。
アメリカ企業と比べて株価の伸びが弱いのだという。
日本経済を述べた本としては、他に大前研一氏の作品http://kazunotesu.jp/blog-entry-125.html?spに消費者サイドからの解決案があり、他の視点も得たいときにおすすめである。

デービッド・アトキンソン氏を紹介するページとしてはハーバービジネスのインタビュー記事https://hbol.jp/122527?display=bも詳しい。

http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
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「IGPI流経営分析のリアルノウハウ」冨山和彦 著

本書は、外資系戦略コンサルティングファームをへて、起業して複数の会社を経営し、政府委員も務めている著者が、経営分析して戦略を立て直すときの方法論を述べたものだ。
産業再生機構で中小企業からJAL再生まで手がけてきた経験から、現場でどこに注意するか、どんな時間軸で計画を立てるか等につき細かくアドバイスが述べられている。

[見解]
企業の経営を立て直すには10年後の業界の姿と事業特性をふまえた勝ちパターンを想定して事業の構造を考える必要がある。それと共に、赤字があるのであれば即効性のあるコスト削減を最初は現場と話しながら細かく積み重ねるなど、改革には段階的な取り組みも必要である。
支える根拠は以下の通り。
・将来に向けてのコアビジネスとそうでないものを分類し、戦略的な取り組みを出来ていない事例が多い
・赤字企業は資金繰りからも緊急事態にあることが多く、その場合には認識を各部署のトップと共有し、コスト削減をしてキャッシュの積み上げを図るのが急務
・現場と協力するのは「現状・目標・各施策とその効果の見込みを共有して一緒に考える」という姿勢でアイデアを募ることで出来た

実際のコンサルタントと経営陣との会話の抜粋など、臨場感のある記載により事例の紹介がなされており、詳細の理解も深まる内容となっている。
[比較と特徴]
現場を見て計画を立てる、目標と現状との差分をコスト削減と抜本的改革の施策により解決していく計画を立てるなど、基本的な記載は大前研一氏の企業参謀およびその要約リニューアル版http://kazunotesu.jp/blog-entry-80.html?spと変わらない。
本書の分量は企業参謀より簡潔でリニューアル版より厚めだ。
内容は実際の事例にそった細かさが特徴的で、一般的な本の想定事例よりも分かりやすいと思う。
事業の計画を立てるときに助けとなりそうな一冊だ。
[参考となる他の人々のサイト]
https://www.axiom.co.jp/column/sp/igpi2015
本書のタイトルにもあるIGPI(経営共創基盤という会社の略称)の事業について、社長である著者がインタビュー形式で説明している記事。

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事業運営論:事業運営や未来予測を反映するポイントについて整理した本。

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「シェア」レイチェル・ボッツマン他著

本書はシェアビジネスの研究家や起業家によって記された本で、エアビーアンドビーやその他のシェアビジネスについて、自然環境の視点、社会のコミュニティの視点、そしてビジネスの視点から意義と可能性を述べている。
シェアビジネスをコラボ消費と呼ぶなど解説をしている他、事例紹介も豊富だ。

[見解]
シェアビジネスの拡大は大量消費社会の負の側面である大量のゴミ、無駄な購入による消費者の部屋にある使われない多くの物資を減らしつつありネット上や地域でのネットワークを再構築している。コラボ消費の経済は費用や時間を抑えるという価値に訴求しつつ社会と環境を良くするビジネスである。
支える考えは以下の通り。
・大量消費社会は太平洋の大量のゴミの浮遊、アメリカの貸倉庫の乱立(スターバックスより多いらしい)をまねき、資源を無駄にしている
・シェアしあう人々は信頼しあうコミュニティを形成し、それはコミュニティへの帰属という本能的な欲求に応える
・コラボ消費はコストパフォーマンスが高く、経済効率を消費の選択基準とする価値観の多くの人々に受け入れられる素地がある

[特徴と比較]
本書は単にビジネスとしてシェアビジネスを考えるのみでなく、社会や環境の歴史の中での役割を高く評価し、シェアビジネスへの進出をうながす一冊となっている。
これは新たなビジネス上のトピックを扱う他の全てのビジネス本との差異ではないかと思う。
また、シェアビジネスというビジネスモデルの可能性を述べる本としては、インターネットの次に来るものhttp://kazunotesu.jp/blog-entry-48.html?sp
でシェアリングが扱われており、こちらも未来の経済活動の姿を考えるのに参考になるだろう。
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こんにちは。読書アクセスを運営しておりますカズノリといいます。
趣味は読書とラジオを聴くことです。
本屋をぶらつくのが好きで、仕事帰りや休日に歩き回っています。ネットで色々なサイトも見ながら本の情報を仕入れては、家やカフェ、通勤途中で、読書をして考えごとを巡らせています。

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