読書アクセス
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「サンディ・ワイル回顧録」サンディ・ワイル著


シティバンク銀行等を傘下にもつ、シティグループの創業者の回顧録。
シティグループは世界最大の銀行の一つで、サンディ・ワイルは自ら創業し、世界最大となるまで育て上げた実業家である。その過程はM&Aの連続であった。

また、サンディ・ワイルは同じくアメリカの巨大金融機関のスターであり回顧録を出版しているロバート・ルービンのようにずば抜けた学歴をもつエリートでもなく、ディヴィッド・ロックフェラーのように名門一族でもない。
たたき上げの実業家の回顧録である。



この本を読んで良い読書体験を得られるのは、自らの力を拠り所にビジネスの世界で勝負をかけていきたいと考える全ての人だ。
冒頭から偉大な実業家であるための心がけ10ヶ条を挙げ、子供時代から話し出しているこの本は読む人のチャレンジする気持ちを高め、また気をつけるべき視点を増やしてくれる。

サラリーマンとして数社を過ごし、社員を尊重しチームワークを作る実業家を見ていたことや、
「偉大な会社を作りたい、業界をリードし、多くの社員を持ち、尊敬される会社を作りたい」という野望を最優先にして初めての創業に向かった時期、その成長やM&Aなど様々な局面。

どんなことに感動し、どんなことに注意し、どのように生活リズムをもっていたのか思い描きながら読むことでサンディ・ワイルという実業家の行動パターンを知ることが出来る。
金融業界を知ろうという点でいうと、ビジネスの変化があるため学べることには限りがあるだろうが、このように考えるポイントに注目することで普遍的な教訓や面白さを感じて読めるだろう。

ビジネスの読み物が好きだがビジネス本より面白さに力点をおきたいようなタイミングで、特におすすめだ。


R.ファインマンの本


リチャード・ファインマンは全く偉ぶらない、物理学の権威だ。一貫して自然への好奇心に動き、そのまま勉強や研究、調査をこなしている生き方に興味を持つ人は多いと思う。

その生き方によって成し遂げたことからノーベル物理学賞を受け、NASAの組織体質に改革のきっかけを築き、アメリカの戦時の研究開発から落ち込んで科学の価値を問い直し、世の中に多くのことを残してきた。
そしてファインマンのエピソードや文章もまた、楽しい読書体験をもたらす一つの業績だと思う。
この人の作品は、講演や授業のノートが主になるが、他に友人がエピソードをまとめたものも存在する。
僕はビジネスからこうした著作にふみこんでいった。マッキンゼーの社員の著作に、科学的なアプローチ方法はコンサルティングのような考え方の模範のようなものであり、スゴさに気付かされたからだ。

最もその手腕が発揮されるシーンがあり、かつ科学の価値を語った講演も収録されているのが次の本だ。なかなか本屋に並んでいないが、内容の充実ぶりではファインマンさんシリーズトップであり、もったいない名著だ。


NASAの組織改革のきっかけとなった調査では、企業と自然科学の関わり方という普遍的なテーマを考えることにもなると思う。

僕の読むところ、ファインマンの最も優れている点は科学との関わり方を個人~企業~社会のそれぞれについて明確にしていることだ。
個人としてのファインマンの理想的な生き方は、面白い・驚くような発見の追究にあったと思う。たまたま自然科学にそれを見出だし、
好奇心をもち取り組む人たちの力をみて個人として好奇心をもつことを正しい関わり方と捉え、
好奇心を阻害するような科学的結論の企業ぐるみの隠蔽をなくすことが企業の正しい関わり方だと捉え、
社会的な意義ばかりでは科学の本当の成長は期待できないという理解をもつことを社会の正しい関わり方だと捉えている。

社会と科学の関わり方にファインマンが悩んだのは、休職の時期によれば原爆の研究に優秀な科学者として取り組み、その結果を見たあとだ。
その生き方と人生観からすれば、最も後悔したポイントは多くの好奇心をもつ者たちの生きる時間を奪ってしまったことにあったと思う。
アメリカ最優秀の科学者の一人として原爆の開発に呼ばれ、研究を進めた挙げ句その結果を前にした若年の彼がどんな悩みを抱えたことか、小規模なら同じような悩みを持つ人も多いのではないだろうか。

次に、本屋にもよく置かれているので目にした方も多いであろうファインマンさんシリーズだ。
人気ゆえか、Kindle版も発売されている。



この本の内容や語り口は、子どもの頃にワクワクしながら読んだ偉人伝のものに似ている。
子どもの頃のエピソード、考えていたことなどが物語のように楽しみながら読める。(だからこそ人気なのだろう)

働き方としても、常に興味をもって科学にかかわり成果を挙げつづけてきた人で、その活躍を面白い映画を見るように楽しむことも出来るだろう。

ビジネス本としても、エンターテイメントとしても活躍する良い作品だと思う。
「徳川家康」山岡荘八 著


数ある歴史小説のなかでも有数の大著である、山岡荘八著「徳川家康」。
26巻まである長編で、内容は徳川家康の出生から逝去までのストーリーである。


徳川家康はいうまでもなく戦国時代の争いを勝ち抜き、そこに日本統一の下に平和を確定した武将であって、日本史の誇る偉人だ。プロジェクトマネージャーやリーダーといった視点でビジネスの示唆を学ぶのにも有益であるし、学生時代に読めば生き方について考えるきっかけになるだろう。

読んだ印象を1つ述べるとすれば、戦国時代を終わらせる装置として教育と神仏の民間への普及を図る熱心さだった。
これは、同じ作者の織田信長、豊臣秀吉を読んでも見られなかったものなので、徳川家康の独自の思想の結果なのだろうと思う。豊臣秀吉の私闘の禁止をさらに一歩進めて、私闘を避けるような思考回路を学んでもらい、長い目で社会を安定させようとしているのだ。
徳川家康の社会の安定に対する見方、教育に対する見方、当時の日本の状況に対する見方、などへの著者による分析が入り歴史小説として内容の厚いものとなっていると思う。

(参考)
日経の記事
マネジメントの文脈で徳川家康を紹介している記事

「ルービン回顧録」ロバート・ルービン著
ロバート・ルービンという名前を初めて聞いた方も多いと思うので、まずは著者を紹介したい。
ハーバード大学の経済学部をトップ卒業したあとロンドンに休暇を兼ねて留学、アメリカに戻るとイェール大学で法学を修めて弁護士となるが、やがてゴールドマン・サックスに転職して最速スピードで会長になった。
そのあと財務長官としてクリントン政権でも活躍した、アメリカのエリートである。

本著は本人による回顧録で、幼児期からの育ち、大学での勉強への取り組み方、仕事で心がけていた思考方法、財務長官時代の苦労を物語的に伝えてくれる。



例をあげるなら、仕事では確率論を常に意識することで不確実な経済の動きに対処していたこと。
不確実なものに依存しないことを心がけ、クリントン政権では株価の動きを政権運営と分けて広報するように努めたこと。
なにかに投資するときは、どれほど自信があっても確率的に負けがあり得るならそれを考慮して資本の配分を決めたこと。

その他資本市場への意見や、メディアとの関わりなど多くのことに言及しており、この本は広くアメリカのエリートビジネスマンに聞きたくなるような話題に応えている。
本屋にはその時々で経済界の大御所の回顧録がよく出版されるが、この人の本は並ばなくなった今でも読む価値があると思う。

自ら取り組みたい仕事を常に思い浮かべており、そこに転職して活躍したという人物でもあるルービンの人生回顧録。人材市場のプレーヤーの増えてきている日本でも、そのような例はより一層出てくることだろう。

日本でロバート・ルービンのような経歴をもつ人物の回顧録というのは僕は思い浮かばないが、あえて近いところを挙げるならば銀行で活躍後公職にもついた西川善文氏の回顧録だろう。

そこで出てくる話はルービンとは異なっていて、メガバンクの営業の思い出や合併の苦労話が登場する。ビジネス本の要素がかなりあるルービン回顧録とは異なり、物語の趣が強めだ。

日本版の金融の第一人者はこのような人生を歩んでいたのかという物語であり、似たような企業に置かれている方にとっては励まされるような、良い読書体験をできることと思う。


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