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「GRIT」アンジェラ・ダックワース著


「GRIT」(=情熱+やり抜く力)が成功者の本当の条件であって、IQや才能は成功者となるための本質ではない…という仮説をたてて、様々な研究成果にあたって検証している本。
結論から言えば正しいと説明して、それをどのように自ら高めていくか、また教育のときどのように生徒や子供に接するかを述べている。

著者はこのような本に多いコンサルタントの出身(マッキンゼー)だが、そのあと中学の先生(数学担当)を数年やって、心理学の研究者になったという経歴をもっている。
[読者イメージ]
純粋に人が強く成長していく仕組みの研究に情熱をもった人が長年の研究成果として出した本であり、同じように「成功者になる法則はあるのか」という問いをもつ人にとって有意義な本だ。
人の指導にあたる必要をもって焦っているようであれば、最高の本の1つと言える。


[視点]
人の成長に向かう気持ちが何なのか、そのメカニズムと注意点を整理するという視点で読むことが望ましいだろう。

[比較と特徴]
同じようなテーマの本には「思考は現実化する」などの啓発本(http://kazunotesu.jp/blog-entry-50.html?sp)が挙げられる。
特に「思考は現実化する」も、何かを成し遂げることをテーマとして成功者を研究し、その成果をを述べたものであり著者の人生観は近いかもしれない。

ただ、本書がアンジェラ・ダックワースの興味から教育の視点を多分に取り入れて納得できる説明を追求するのに対して、「思考は現実化する」は紙に目標を書いて毎日読み上げるなど根性論的な内容が多い。
記された時代もあったのだろうが、読んで理解できて行動に結びつけやすいもの、教育する立場として取り入れられるものという観点からは本書が優れていると思う。

何かを成し遂げる条件についてもっと考えを深めたい、という方にはおすすめできる一冊だ。


「七つの習慣」スティーブン・コヴィー著


この本は、およそ人生論の名著としてあらゆる書店で陳列されている一冊だ。そしてそれだけの価値のある一冊だとも感じる。

この本では人の人生観について「ものの見方」のたいせつさを説きつつ考え方のモデルを示し、そこから現実認識と行動力を強く保つ習慣を七つにまとめている。これは以下の通りだ。

1・主体性を発揮する
2・人生の目的をもつ
3・重要事項を優先するべく計画的に動く
4・win-winの関係を築く
5・理解してから理解される
6・相乗効果を発揮する
7・反省する
もちろん順番には意味があり、人が豊かな人間関係を実現するためのステップの並びになっているのだ。
読み手に対して語りかけ、人生の理想を視点も例示しつつ考えるように誘導し、その後の内容を自分ごととしてイメージ出来るようにするなど、工夫も存在する。
[読者イメージ]
精神的自立や人間関係などあらゆるテーマで示唆を与えているので、この本を読むことで考え方は何かしら豊かなものになるだろう。長い本なので負荷はあるが、おそらく良い読書体験をほとんどの人ができると思う。

また、寄せられている賛辞には、ビジネス書として挙げられたり、人との問題解決をするのにも効果をもつ方法論として評価する声もある。


[視点]
習慣の置き方について、主体性をもつ人だけが豊かな人間関係・チームワークを作ることが出来るという論理から、個人のものの次に関係のものと配置している。
個人のものでは、主体性をもつことに、人生の見方と目的意識、計画的な行動の達成による自信が要素として抽出される。
関係のものでは、相互理解、尊重の表れとしてのWin-Win、協力しあう構造作りが抽出される。
これらを軸として読めば、ポイントをおさえて理解を深められると思う。

[比較と特徴]
なかなか人間関係に着目して本書ほど体系的でボリュームをもった本は存在しないと思う。なので比較対象はないのだが、他の視点も加えるという意味で紹介できるものはある。
例えば人との問題の解決を、関係性ではなく法的な問題という視点でみるとき、法律家の伊藤真氏の考え方が代表的だ。


ここでは意見と事実を区別して話したり聞いたりすること、問題を1つ1つ解きほぐして解決にむかうことなど、優れた法律家としての着眼点をいくつもあげている。
また司法試験塾を経営する教育家でもあるので、試験突破の思考方法もかなり出ている。
問題解決として最終的にどんな形を求めるのかにもよるが、一つの整理をしてくれる。

主体性を強めて人間関係含め人生の改善を図るような本としては、熊谷正寿さんの本がより具体的に方法論を述べている(紹介記事http://kazunotesu.jp/blog-entry-14.html?sp)。タイトルは手帳の使い方のノウハウ本のような印象も与えるが、背景となる考え方や経験談も読み取れる一冊だ。

アクセスVISION: 僕が様々な事業や市場の動向について考えているサイト
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
自己啓発三大名著


日経BPnetによれば、世の自己啓発本の三大名著は「思考は現実化する」「七つの習慣」「人を動かす」の3作品であり、他のビジネス本の元ネタになっていることも多いとされる。
今回はその3大名著について、どんなことを成功と考えているか、そのために意識することとしてどのような方法論を挙げているのかについて比較しつつ紹介していきたい。

〇人生の理想・成功について、どのような意識をもっているか。
「思考は現実化する」
本書においては、成功の定義は「成功とは、他人の権利を尊重し、社会正義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標【願望】を、黄金律に従って実現していく過程である。」というものだ。
ただし具体的に本作のなかで出てくる成功にまつわるエピソードを見ると、規模の大小はあるが純粋に営業成績的、経済的なものである。
「(この本を読み終わったら)まずあなたが一番にすることは、願望を富に変えるための行動計画を立てることである。」と明言もしている。

実業家のアンドリュー・カーネギーの人脈をたどって成功者の考え方や行動の法則を集めて出来上がったものなので、各界の実力者に言及してあるといえその傾向があるのだろう。
本著の制作は1930年頃のアメリカで、独占的な企業がいくつも現れていた時期だ。本書では、暗黙の了解として富の獲得がテーマである。

「七つの習慣」
序章において、真の成功とは表面的な成功(才能などに対する社会的評価)と対比されるものであり、「優れた人格を持つこと」と定義される。
「身体の大きさ、地位、権限、肩書き、容姿、過去の実績といった力ではなく、長期的な人間関係を成立させるような人格的成功」こそが常にテーマである。20世紀の終盤に記されたものであり、物質的なものより精神的なものに焦点が向いているのだろう。

「人を動かす」
この本では、何が人生の成功であるかについて明言はされておらず、人間心理の探求を行っている。ただし、この本で最も優れた人物の一人とされ、何度も登場するのがリンカーン大統領だ。
登場する文脈は、「彼がいかに人の心をとらえる術を心得ていたか」というものだ。

つまり本書での成功とは、「人の心理を知り、上手に動かせる技術を得ること」である。そのため、人の心理が常にテーマとされる。記されたのは1940年頃だが、著者がリンカーンの研究者であることが、注目するテーマを決めているようだ。

〇現実認識のポイントとして、どんなことを挙げているか。
「思考は現実化する」
この本では、「成功を引きつけるのは心の力」「信念は感情を伴った思考と結びつき、願望を実現する」ということが述べられる。その見方で成功の事例が多く挙げられ、またその方法も挙げられている。

方法としては、願望・費やすもの・期限・計画・紙に書く・毎日その紙を見て音読する、の6つがあり、これが心の力を高め、実現を成し遂げることになるのだという。
その説明のなかで、信念を強くするために深層自己説得を何度も行う(何度も心の中でイメージを描く、ポジティブなことを言う)こと、計画をチームを組んで立てることなどのアドバイスや、「成功者に見られる特徴」の追加情報がどんどん出てくる。
かなり精神論的な展開だといえるだろう。

「七つの習慣」
この本では、人は成功を求めるために外的な形から入るのではなく、人格の成功という内的なものから入ることが必要であると説いており、それをインサイド・アウトのアプローチと命名している。
そしてインサイド・アプローチの行動をとるのに、パラダイムを変えられるような習慣を七つ提案する。パラダイムは誰もが意識的かどうかに関わらずもっており、人生の経験や様々な出来事をそれによって判断しているものだ。

習慣の説明は主体性をもつことから始まり、相互依存の関係まで成長の段階をおって説明される。そして最後にいつも見方を改善することを七つ目の習慣として紹介している。WinWinを考える、理解してから理解される、相乗効果を発揮する、という3つが人間関係を焦点にしている。

「人を動かす」
人の心理の原則は、「人は自らを基本的に悪いと思っていない」「重要人物たろうといつも欲している」というものだ。

この見解に沿って動かす原則、好かれる原則、説得する原則、、と展開して、あいまにエピソードを添えている。いつも笑顔を忘れないでいることの力など、具体的なレベルまで説明している。

…以上の比較から、今読みたいのがどの本(もしくはその系統)なのか考えれば求めていた読書が出来るはずだ。
また、この視点から読み進めることで、より効果的に知識を整理しながら楽しい読書ができると思う。









スケジューリングの本
七つの習慣に言うような、「主体的に生きる」という場合、どのように日々や月ごと、年度ごとのスケジュールに作り込んでいくのか。
どうしても人生のゴールを遠くに感じてしまったり、まとめておきながら日々のスケジュールはよく意義の分からないことであふれている、というような悩みは誰でももったことがあるはずだ。

これは七つの習慣の、第3の習慣にあたる。計画をもって始める。
七つの習慣自体では、行う事柄を列挙して重要性と緊急性に応じて四分類し、「重要だが緊急でないこと」の時間を週間スケジュールの中で確保することを勧めている。
しかしこれが本当に効果的か、となると、現実に実施するまでには何段階か追加の作業が発生するため、その内容だけでは足りないように思える。

追加するのは、現状把握とゴールから「日常で取り組めるレベルの」行動への展開である。
これを図式的に行う手法のモデルとして、一つ有力なものはGMO創業者の熊谷氏の著作、「一冊の手帳で夢は必ずかなう」によるものがあげられると思う。
ここでは人生のゴール(夢)を列挙したあとに、
・ピラミッド化して因果関係を把握する
・15年計画など長期計画~週間スケジュールを作りそれぞれに必要な行動を充てていく

という方法が、具体的に図を示しながら述べられている。氏がこの方法を実践しながら上場企業を築いてきたということで、ビジネス書としても話題になったようだ。


これに比較できるのは、より日常的に、1つ1つのスケジュールの遂行に目線を移したマイクロソフトのプログラマーの本だ。


これはそもそもスケジュールを立てるのに、余裕を見つけられないようなときに読む本だ。いかにして期日を守りつつ動くか、徹底的に考え抜かれた本である。間近でみたビル・ゲイツのビジネス論も時たま登場するのも貴重だ。
これもまた、ビジネス本としてとりあげられている実践の本だが、日々のスケジュールにも有益だと思っている。
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いろいろな幸福論の代表的作品


人生の幸せはどうすれば手に入るのか。人生のゴールとか理想とか、どんなものがあるんだろう。これについては古来から考えられてきたし、今も考える人は多いだろう。今日はそのときに参考になる考え方を世界史から紹介し、それについて批判をする。

哲学者セネカは、著書「生の短さについて」で人生の意味を高めるのは「自らのためにのみ時間を使うこと」と定義し、それが生の充実をもたらすと述べた。ただし、それを哲学のために時間を使うことに限定し、「享楽にふける」等一部の行動は無条件に幸せでないと決めている。
これは道徳家の意見だ。何を人生のゴールにするか、人に決める余地を与えていない。たとえその通り生きたとしても、「セネカ的に幸せなんだろうな」くらいの感慨しか持てないだろう。これは道徳家の一意見に留めるべきものだ。

哲人皇帝マルクス・アウレリウスの「自省録」は人間の神性(ダイモーン)に従う生き方が最も充実すると述べ、道徳的振舞いとしての正解をその本の中でひたすら記述する。理性を用いて、ダイモーンのもとに行動することで魂を豊かにするのがゴールという。そして与えられた環境に心から適応することも述べる。
これはセネカより一層、道徳家の意見である。子どもの頃に聞いたような道徳論の集大成となっているが、人がゴールを自ら決める余地も、具体的な現実認識も示唆されていない。
後にアウレリウスは親族に帝位承継を行い政治的繁栄を終了させてしまった。

ヒルティの「幸福論」では、幸福を「倫理的世界秩序に対する堅い信仰」と「その秩序のもとで働くこと」と定義する。その理由は、これがなければ社会秩序が崩れて暴力の世界に陥るからだと述べる。(2つの条件は、「神のもとにあること」と「その思想に生きる」とも言い換えられる)
これはその時代にいたら本当にそうだと感じるのだろうが、議論の前提になる社会背景が違いすぎるので今読んで力になるかは不明である。幸せと社会を考える力にはなるかもしれないのでリンクを紹介する。
ヒルティは19世紀に国際法の大家として彼のゴールとする社会の実現に生きた。


ラッセル「幸福論」は最も有名な幸福論の一つだろう。ここでは不幸をもたらすものと幸福をもたらすものについて、具体的な事例をあげながら評論を進めている。
そしてその結論は、「食と住、健康、愛情、仕事の上の成功、仲間から尊敬されること」である。アプローチも結論も具体的で、一般に人生のゴールに挙げられることの多いものだと言えそうである。そしてそれらを得るために「客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味」をもつことを勧めている。
一つの広く共感されている人生のゴールと現実認識のモデルとして、感じさせられるものが多いのではないかと感じる良書である。


また、時代がさらに進み、現代では本によって富や人間関係のなかに幸福を見出だす著作がさらに現れてきた。
自己啓発本とひとくくりにされるそのような著作の中で、幸福論の古典からさらに整理の加えられた(それゆえ分かりやすい反面、内容に取捨選択を感じたりもするだろう)考え方に出会う方も多いのではないかと思う。
http://kazunotesu.jp/blog-entry-50.html?sp
(自己啓発の古典について比較しつつ述べた記事)


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それにしても、古典のロープライスは本当にローだなと感じる。神保町でもこの値段で見つけられるかどうかという価格だ。


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こんにちは。読書アクセスを運営しておりますカズノリといいます。
趣味は読書とラジオを聴くことです。
本屋をぶらつくのが好きで、仕事帰りや休日に歩き回っています。ネットで色々なサイトも見ながら本の情報を仕入れては、家やカフェ、通勤途中で、読書をして考えごとを巡らせています。

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