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R.ファインマンの本
2016年11月21日23:27


リチャード・ファインマンは全く偉ぶらない、物理学の権威だ。一貫して自然への好奇心に動き、そのまま勉強や研究、調査をこなしている生き方に興味を持つ人は多いと思う。

その生き方によって成し遂げたことからノーベル物理学賞を受け、NASAの組織体質に改革のきっかけを築き、アメリカの戦時の研究開発から落ち込んで科学の価値を問い直し、世の中に多くのことを残してきた。
そしてファインマンのエピソードや文章もまた、楽しい読書体験をもたらす一つの業績だと思う。
この人の作品は、講演や授業のノートが主になるが、他に友人がエピソードをまとめたものも存在する。
僕はビジネスからこうした著作にふみこんでいった。マッキンゼーの社員の著作に、科学的なアプローチ方法はコンサルティングのような考え方の模範のようなものであり、スゴさに気付かされたからだ。

最もその手腕が発揮されるシーンがあり、かつ科学の価値を語った講演も収録されているのが次の本だ。なかなか本屋に並んでいないが、内容の充実ぶりではファインマンさんシリーズトップであり、もったいない名著だ。


NASAの組織改革のきっかけとなった調査では、企業と自然科学の関わり方という普遍的なテーマを考えることにもなると思う。

僕の読むところ、ファインマンの最も優れている点は科学との関わり方を個人~企業~社会のそれぞれについて明確にしていることだ。
個人としてのファインマンの理想的な生き方は、面白い・驚くような発見の追究にあったと思う。たまたま自然科学にそれを見出だし、
好奇心をもち取り組む人たちの力をみて個人として好奇心をもつことを正しい関わり方と捉え、
好奇心を阻害するような科学的結論の企業ぐるみの隠蔽をなくすことが企業の正しい関わり方だと捉え、
社会的な意義ばかりでは科学の本当の成長は期待できないという理解をもつことを社会の正しい関わり方だと捉えている。

社会と科学の関わり方にファインマンが悩んだのは、休職の時期によれば原爆の研究に優秀な科学者として取り組み、その結果を見たあとだ。
その生き方と人生観からすれば、最も後悔したポイントは多くの好奇心をもつ者たちの生きる時間を奪ってしまったことにあったと思う。
アメリカ最優秀の科学者の一人として原爆の開発に呼ばれ、研究を進めた挙げ句その結果を前にした若年の彼がどんな悩みを抱えたことか、小規模なら同じような悩みを持つ人も多いのではないだろうか。

次に、本屋にもよく置かれているので目にした方も多いであろうファインマンさんシリーズだ。
人気ゆえか、Kindle版も発売されている。



この本の内容や語り口は、子どもの頃にワクワクしながら読んだ偉人伝のものに似ている。
子どもの頃のエピソード、考えていたことなどが物語のように楽しみながら読める。(だからこそ人気なのだろう)

働き方としても、常に興味をもって科学にかかわり成果を挙げつづけてきた人で、その活躍を面白い映画を見るように楽しむことも出来るだろう。

ビジネス本としても、エンターテイメントとしても活躍する良い作品だと思う。
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カテゴリ : 回顧録・伝記

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