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「インターネットの次に来るもの」K.ケリー著
本著は、未来について述べたあらゆる著作のなかで、最もリアリティーのある記述がなされているものだ。
著者がテクノロジー情報誌の編集長を長らく務めたことも一因としてあるだろう。未来について考えたい人に勧める著作である。


まずはじめに、「未来のテクノロジー」という視点からまとめてあることが本著の特徴である。
これは著者の名を一躍有名にした前作「テクニウム」の流れを汲んでのことだろう。
前作の知識は本著の理解の大きな助けとなるので基礎知識だけ復習する。
・進歩は、原子レベルの再組織化という視点でとらえられる。
・生物の発生そのものも進歩の一つの事象にすぎない。生物を構成している原子たちは、時間が始まったときから存在している。
・進歩の対極には最大エントロピーがある。これはあらゆる原子が動きを持たない完全の静寂であり、宇宙に存在する。
・進歩の方向性は偶然ではなく、歴史をふりかえると原子の活動を増大させる再組織化に向かってきている。
・現在最も原子の活動を増大させるのはコンピューターのコアチップである。テクノロジーは進歩の最先端にあり、それは人々の選択肢を増やし続けてきている。中世フランスの国王よりも現代の平民は物質的に豊かな生活をしている。


この前著は値段が高めであり、以上のまとめで大方内容はとらえているはずなので、まとめだけで本著にうつるのが効率が良いだろう。

本著ではそのテクノロジーの進む道について、12の現在分詞によって描き出す。
例を挙げるなら、filteringの章。
増大し続けるネットの情報~文書、音楽、動画~は勢いをとどめることがないと指摘する。それは個人がますます創作活動に加わりやすくなったことが原因だ。
インターネット技術の進歩もあるし、シスコ社の予測ではネットに接続するスマートフォンなどのデバイスも、2015年の150億から500億に達するという。
その、100年かけても読みきれない、聴ききれない情報のなかから何を手にするか決めるとき、そのフィルターをどこにおくかが問われる時代になる。それは今のようにマスメディアのヒットチャートかも知れないが、Amazonのお薦め表示のようにパーソナライズされた広告にとってかわるかも知れないし、有力な情報編集者がソーシャルメディアに現れてお薦めを示すこともあるだろう。
これは確実に巨大化する産業である。

このように具体的で有用な章が12個あって2000円ちょっとなので、本当におすすめなのだ。

この他に有名な未来予測は、エコノミスト誌が2012年に出版した「2050年の世界」だろう。

この本では統計から入る未来予測が展開されており、第一章は人工の予測である。
社会科の授業で配られた資料集と同じような区分けのイメージで、既存の社会トピックを一つ一つ解説していく。
特徴はケリー氏の著作よりも現代の統計を詳細に述べていることだ。たとえばゴールドマンサックス社の予測の引用などにより、具体的な数字を掲げて描き出そうとする。

しかし具体的な生活の変革イメージであったり、進歩そのものへの洞察の深さ(どれだけ原則をつきつめて現象を整理しているか)においてケリー氏の著作は圧倒的だ。
雑談のネタにはエコノミスト誌の著作も優位性があるかもしれないが、本当に変化を見極めたい方にとって、おすすめはケリー氏の著作である。
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