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「種の起源」ダーウィン著
種の起源は、進化論という言葉を広めた世界の古典である。
どれほど著名な作品かと言えば、「ガラパゴス化している」など21世紀の日本で通用する慣用句が本書のエピソードから出来ているほどである。
けれど、これを読んだことのある人はそんなに多くないのではないか。親しまれている実態と裏腹に、この本は実験と観察のレポートをふんだんに用いた決して気安くない科学論文である。




この本の展開を簡潔に言うなら、
ある土地から生える植物の観察、数々の家畜の品種改良の調査、特定の環境での動物の特徴観察を経て、進化についての法則を導きだしていくというものだ。

世に有名な人間もサルからの進化の賜物だろうという仮説はようやく下巻になってから登場する。現代の新書に慣れた人からすると、確かに読みにくいものだ。実験や観察を興味深く読めるのでなければなかなか進まないだろう。
ただし読み進めるうちに納得の深まる進化論の示唆は、堀紘一氏などのビジネスの巨人が推薦するところでは競争の場面で力をもたらすという。


[内容]
ダーウィンの観察から得た結論は、
「自然淘汰・性の淘汰によって生物は常に競争にさらされてきていて、適応するものだけが生き残る」
ということだ。これを生き抜いてきた生物たちの視点で述べるなら、
・目標となる食物を観察してより多く獲得する方法を実践する
・自身の特徴のうち周囲のライバルや環境の特性から言って優位なものを伸ばす
・異性がどのように生活しており良いパートナーシップを築くにはどうすれば良いのか考える
ことにより、生き抜いてきたのだ。

飛べるようになったり、光を感じたり、二足歩行したり、体色を変えたり、くちばしを固くしたり首を伸ばしたり声を出したり、優位な特徴は個性豊かなこと限りない。
[比較と特徴]
この本と比較するのは文明史にフォーカスして社会の発展について述べたトインビーの「歴史の研究」である。
僕は進化論と似たような文脈で語られる社会進化論というものについては「社会が目的とするゴールについて分かっている」という過剰な意識があり不合理だと思う。
しかし「歴史の研究」はたまにキリスト教の影響を垣間見えるものの、そのような社会の押し付け論ではない記述ぶりで好感がもてた。
世界の名著シリーズのまとめ版が文庫本2冊分くらいのレベルで、読むならちょうど良いと思う。



ここでは文明始まって以来の数々の社会たちを見ており、その特徴と成長~衰退を客観的に記述してゆく。
現代の日本でひびくところで言うと、スパルタ式のもとになった古代都市スパルタは少数の戦士による支配だったがアテネのすぐ後に滅んでおり、その要因を新たな知識や制度を取り入れられないほどの「スパルタ式支配」であると結論する。同じ文明停止状態に陥った文明社会として挙げられるのはエスキモーの社会である。
この分析による示唆の一つは「自由を許さないようなきわめて厳しい制度や環境への適応は能力の要求が文明の進化にとって過剰」というものだ。

このような数々の仮説とその検証にあたる文献紹介があり、読みごたえのある作品になっている。どちらの著作も、僕らに進化をもたらすものは何なのか、どうすれば繁栄していけるのか、カフェに引きこもってじっくり考えたいときにおすすめの作品だ。
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
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