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「国家はなぜ衰退するのか」(ダロン・アセモグル他著)


社会制度と経済発展の関連性について、世界の歴史をひもときながら究明している名著。上下2巻で600ページほどで、多くの事例が整理整頓されている。
論文のように理論がずらずらと並べられているのではなく、そこに存在した人物のストーリーにも言及しながら説明を進めている部分もあるなど、受験勉強の世界史よりも面白い。しかも現代社会の経済の様々な現象を世界トップクラスの大学教授が問い直している作品なので、高校生からおすすめである。


(見解)
著者の見解は、既存権力層の不正のない、人々の政治権力が幅広く認められた社会が経済発展に必須だという一点にある。
そんな社会であるために、民主主義による権力監視が機能することが必要で、人権思想が普及することが必要なのだ。
(内容)
そんな社会でないところでどんなことが起きてきたのか、社会の変化が起きたときにどんな経済の変化が起きたのか、それら歴史上の例を示しながら、その見解を論理構築している。
変化の例として、フランス革命、明治維新といった近代史の出来事から、ヴェネツィアの法制度改革、中世農地制度といった過去の話、南アフリカの二重経済やエジプトの革命といった20~21世紀の話まで扱っている。

最大の事例は産業革命を成し遂げたイングランドと、それを可能にした名誉革命(1688)だ。
絶対王政から議会主導へと権力の移行が起きたとき、取れるだけ税金をかけたり専売許可にしたり所有権を制限したりと王家に利益をもたらす社会制度へのインセンティブは失われ、
代わりに議会と関わる国内全ての事業者の利益を追求するべく所有権の保護や専売の廃止、公正な競争のルールが持ち込まれたことで、
事業者がお金持ちから資金を調達してどんどん新たな事業に乗り込む土壌が出来たのだ。それがその後の西欧文明の優位を作り出した一つの大きな要因なのである。

事業環境に影響を与えるものとして技術に光をあてている作品にはケヴィン・ケリー氏の著作など最近いくつかの名著があるし、政治制度についても多くの本が出されている。後者に関しては、本作が最高のものと思う。急速な技術の進歩や政治制度の不安定を背景にこれらを扱う本が多く出てきているが、本書を読めば他の政治制度系の本は網羅出来るのではないだろうか。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A9%E5%88%A9%E3%81%AE%E7%AB%A0%E5%85%B8
権利の章典:名誉革命で作られ、今もイギリスで有効な法文。名誉革命の性質を示している。

http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION:様々な事業について統計等から動向を探っているサイト
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