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「コーポレートファイナンス実務」松田千恵子著


本書は銀行員→戦略コンサルタント→大学教授と歩んでいる著者が、企業の本社機能の役割をファイナンスの面から述べた本だ。
事業の今後の展開を財務諸表の形で数年分作り、資金需要を見積もる手法やファイナンス用語の説明など、分かりやすく述べられている。

[内容]
企業にとって本社は社内投資家と考えることができ、そこが事業部門の収益性や予算、進退を考えることで会社の収益力が管理されている。投資家的なチェック機能を意識的に発揮して予算をつけることは、事業の完成度を高めるために有効だ。
実際に市場で資金集めをするのには財務諸表を将来数年分にわたって見積もるファイナンシャルプロジェクションを投資家や金融機関に見せることが有用になっていて、事業を細かく具体的に見直すことが必要だ。

[比較と特徴]
説明を要約して書いてしまうと上記の当たり前な文章になるのだが、その説明の分かりやすさが企業財務の仕事を扱う同種の本に比べて圧倒的であるという印象。
証券用語と使い方を説明してくれていたりと、個人投資家が勉強目的で読んでも役立つだろう。ちなみに最初から投資家目線で記されている本としては伝説のファンドマネージャーと称されるピーター・リンチの著書もおすすめだ。

企業の業績がどのような状態になっているのか、日頃接する会社についても気になるという人にとっても有用な本だと思う。投資家目線をもつことができたら、いずれ自ら資金を集める説得をして事業をのばすことにも役立つかもしれない。
具体的に事業の中身まで考えていくのであれば、著名な経営コンサルタントの冨山和彦氏の本がより有用だ。

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