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「IGPI流経営分析のリアルノウハウ」冨山和彦 著


本書は、外資系戦略コンサルティングファームをへて、ベンチャー企業に勤め、政府系機関で様々な企業の再建に手腕を発揮し、起業して複数の会社を経営し、政府委員も務めている…という著者が、経営分析して戦略を立て直すときの方法論を述べたものだ。
財務諸表を起点としつつも、さらにそこから現場でどこに注意すると的確な診断が出来るか、その診断を踏まえて企業ごとにどんな時間軸で計画を立てるか等につき細かくアドバイスが述べられている。近頃流行りの「決算書の読み方」系の書籍と同じ知識を得られる一冊でありながら、実績ある経営分析のプロが深堀りを加えている高級品だと言える。出版は2012年だが、何年たっても読む価値のある本である。

[見解]
企業の経営を立て直すには数年後の業界の姿と事業特性をふまえた勝ちパターンを想定して事業の構造を考える必要がある。それと共に、赤字があるのであれば情報を現場にも開示し、即効性のあるコスト削減を現場と話しながら細かく積み重ねることが最初に必要である。
この根拠は以下の通り。
・将来に向けてのコアビジネスとそうでないものを分類し、戦略的な取り組みを出来ていない事例が多い
・赤字企業は資金繰りから存続が緊急事態であり、コスト削減をしてキャッシュの積み上げを図ることは急務である
・現場と協力する際には「現状・目標・各施策とその効果の見込みを共有して一緒に考える」という姿勢でアイデアを募ることで施策効果を最大化できる

そして、勝ちパターンの策定においては、規模の経済が効くビジネスモデルなのか、スイッチングコストを高めやすいビジネスモデルか、等の観点を持ち出して詳細に策定しなければならない。

[比較と特徴]
実際のコンサルタントと経営陣との会話の抜粋など、臨場感のある記載により事例の紹介がなされており、詳細の理解も深まる内容となっている。
現場を見て計画を立てる、目標と現状との差分をコスト削減と抜本的改革の施策により解決していく計画を立てるなど、基本的な流れは大前研一氏の企業参謀およびその要約リニューアル版(http://kazunotesu.jp/blog-entry-80.html?sp)と変わらない。
本書の分量は企業参謀より簡潔でリニューアル版より厚めだ。

ただし、本書の内容は実際の事例にそった細かさが特徴的で、一般的な本の事例よりも分かりやすいと思う。同じ化粧品事業でも企業によって勝負どころが違うということを仕組みから説明するなど、リアルのタイトル通り本格的である。
事業の計画を立てるときに助けとなりそうな一冊だ。
[参考となる他の人々のサイト]
https://meti-journal.jp/p/38
経済産業省にある2017年7月のインタビュー記事。今後の産業界全体の方向性と日本のとるべき方針について述べている。

https://www.axiom.co.jp/column/sp/igpi2015
本書のタイトルにもあるIGPI(経営共創基盤という会社の略称)の事業について、社長である著者がインタビュー形式で説明している記事。

~~~~~
http://amzn.to/2pnYcqg
事業運営論:事業運営や未来予測を反映するポイントについて整理した本。

http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION:様々な事業や業界の今後について僕の見解を述べているサイト


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