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読書アクセス
「充実した読書につなげられるような案内作り」をテーマとして、多読のビジネスマンが本の紹介や比較をしているWebサイト
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「Principles」Ray Dalio著


20代でファンドBridgewaterを立ち上げ、それから40年間投資で成果を出し続け、今や世界最大のヘッジファンドにまで育て上げた人物の意思決定の理論書。
最近では、2018年にヘッジファンドが全体としてマイナス成績を出すなか安定的に14.6%の運用益を出したことで、意思決定の優秀さを改めて注目されている。

本書は2017年に発売されているものの、現時点(2019年2月)でも残念ながら英語版しか存在しない。Kindleで読むと分からない単語をタップするだけで教えてもらえるので、そこそこの英語力でも最後まで読みきることが出来る(読み進むにつれて英語力も上がる)のでおすすめだ。



(内容)
①著者の投資家・経営者としての人生の歩み
②人生の出来事に対する意思決定理論
③事業運営に対する意思決定理論
の3部に分かれている。

①では、意思決定の原則をなぜ自ら考えて持っておくべきか、そしてDalio自身はどのような原則を現在に至るまで作り出してきたか紹介されている。

②でテーマにしているのは、どのような人にも役立つような「人生の出来事や他人との関わり方」である。ちなみに著者は投資家であるものの、期待値計算の話などまでは出るが、具体的な投資先銘柄の選定方法までは話さない(もしもどのように株を買うのが得か、という話が聞きたいならこの本ではなく、ピーター・リンチの本などを読むのが良いと思う。)

具体的な原則は多数あるが(本はkindleベースで500ページを超える)、
・自らが誤っている可能性を認識し、オープンマインドで広く優れた見解を集めること
・根拠をもって考えた内容については明確に主張して見解をぶつけること
等が挙げられる。それぞれに説明やエピソードがついてくるため、理解が深まる構成である。
また、分析を深めていく方法なども述べられている。
そしてこれらは、世界有数の成績を挙げるブリッジウォーターの社内でも基本的な動き方のルールとして活用されているという。

③では、②で述べた内容をビジネスマンの振る舞いとして言い換えながら、人と文化で構成される組織がいかに良い場所となるか追究されている。
これに関連して、社内会議の様子がTEDスピーチの中でほんの少し本人によって公開され説明されている。20分もない簡潔にまとまったものでお薦めだ。
https://youtu.be/HXbsVbFAczg

(比較・特徴)
語り口は理論的で、人間関係から意思決定全般まで網羅する。
回顧録の要素があり、生き方まで含めて話す自己啓発の要素があり、働くことへの活用を述べておりビジネス本としての要素があり、現実のより正確な理解を追究する哲学書としての要素もある。非常に読み応えのある、優れた一冊に出会えたと感じている。


http://hotbrowncoffee.jimdofree.com/
レポートバンク:世の中の動きを確認するのに有用な、国内外のレポートのリンク等を集めてあるサイト。詳細レポート作成は私も関わっている。

https://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION 
様々な事業や市場について、統計やビジネス理論をふまえて今後の動向を考えているサイト

http://topicvision.jugem.jp/
トピックVISION
世の中の様々なニュースについて情報の整理を行っているサイト


(番外)賃金の推移 ; Ray Dalioの見解


日本の統計の問題として、賃金の動向調査に不手際があり、統計が正確でなかったことが話題となっている。今後はおそらく正確な値を改めて取得して、統計作成体制を考えて、一件落着となるのだろう。
なぜ大企業の調査を行わないことが続き得たのだろうか、というポイントに調査が向けられ、何か組織管理の話で進展もあるだろうが、統計の内容そのものにはあまり目を向けられず済まされていきそうな様相である。

賃金の動向については、アメリカでは内容的なところで問題であると考えられている。
次の図は、世界最大のヘッジファンドを運営するファンドマネージャー、レイ・ダリオ氏がまとめたもので、上位と下位の伸び率の違いを整理している。

20190210125440706.jpeg


ここから分かることは、技術革新の恩恵を受けているのは上位のみであり、富の寡占の拡がりである。以下がその富の分散だ。

201902101520337af.jpeg


さらに、富の寡占については上位0.1%が多くを持つと言われるが、これについてもダリオ氏がデータを提供している。
20190210122141e72.jpeg


富の寡占は社会不安を引き起こしてきているという。レイ・ダリオ氏が著作『Debt Crisis』で述べるところでは、かつて起きたユダヤ人迫害も戦争も、社会不安をコントロールできなかったことが契機となって起こっている。
僕の理解だと、これを未然に防ぐのは
・累進課税や様々な税控除を通じた直接的な富の再分配
・教育の無償化拡大やインターネットでのオンライン講義の拡大、テレワークなど様々な働き方の実現などによる富の獲得機会の拡大を通じた間接的な富の再分配
であり、取り組まれている施策も数多い。
レイ・ダリオ氏はその動きを不足とみて、社会不安の高まりを他国への非難や政権の独裁的な振る舞いに感じ取り、数年内に問題はますます大きくなると予測しているのだ。
ヘッジファンドは金融環境の動きで影響を受けるため、このように常にマクロ統計に分析を加えている。
国内外の統計を分析したときにどのような課題が浮かびあがるのか、本サイトの番外編でも定期的に扱いたいと思う。社会不安を可能な限り回避することは、感情的な争いを回避し、日常を豊かにして穏やかに読書したりする環境に不可欠であると思う。

http://hotbrowncoffee.jimdofree.com/
レポートバンク:世の中の動きを確認するのに有用な国内外レポートのリンク等を集めてあるサイト




(番外)旅先の読書


読書するとき、快適な環境で楽しみたい。自宅もカフェも快適だが、リラックスできて本を読んだりノートに今後など考えごとをするのに、本当は旅先はすごく良いのではないかと思う。

個人的には、思い出深く快適だった場所に一人旅をして、静かに本を読んだり考えごとをする時間を作ったりしてきた。
それもお金がないときで、夜行バスでわざわざ遠くまで旅に出ていた。このようなイベントの良さの1つは、新鮮さによって時間が彩りを持つことだ。バスに乗りに行く途中も、乗っているときも着いてからのあらゆる時間も、活発に過ごしていた。
・スマホで旅先の街の産業を調べ、人々の生活の様子を想像した。
・定量的に想像した後には、最近どんな感情で過ごしているのかSNS等で調べた。
等々

思い出は印象深ければ何でも良いと思う。自分は短期間その場所で過ごしたことがあり、きれいな女の人と少し話したとかだった。
他にも、感情移入して読んだり観たりした大好きな物語の舞台でも思い入れの強い時間を過ごせると思う。

考えごとをして、これからどんなことをするか整理すると、少し強めに前に進めるような気持ちになる。
だから、一人で過ごす休みがあったら、たまには読書時間を旅先で持つことがお薦めである。







「IGPI流経営分析のリアルノウハウ」冨山和彦 著


本書は、外資系戦略コンサルティングファームをへて、ベンチャー企業に勤め、政府系機関で様々な企業の再建に手腕を発揮し、起業して複数の会社を経営し、政府委員も務めている…という著者が、経営分析して戦略を立て直すときの方法論を述べたものだ。
財務諸表を起点としつつも、さらにそこから現場でどこに注意すると的確な診断が出来るか、その診断を踏まえて企業ごとにどんな時間軸で計画を立てるか等につき細かくアドバイスが述べられている。近頃流行りの「決算書の読み方」系の書籍と同じ知識を得られる一冊でありながら、実績ある経営分析のプロが深堀りを加えている高級品だと言える。出版は2012年だが、何年たっても読む価値のある本である。

[見解]
企業の経営を立て直すには数年後の業界の姿と事業特性をふまえた勝ちパターンを想定して事業の構造を考える必要がある。それと共に、赤字があるのであれば情報を現場にも開示し、即効性のあるコスト削減を現場と話しながら細かく積み重ねることが最初に必要である。
この根拠は以下の通り。
・将来に向けてのコアビジネスとそうでないものを分類し、戦略的な取り組みを出来ていない事例が多い
・赤字企業は資金繰りから存続が緊急事態であり、コスト削減をしてキャッシュの積み上げを図ることは急務である
・現場と協力する際には「現状・目標・各施策とその効果の見込みを共有して一緒に考える」という姿勢でアイデアを募ることで施策効果を最大化できる

そして、勝ちパターンの策定においては、規模の経済が効くビジネスモデルなのか、スイッチングコストを高めやすいビジネスモデルか、等の観点を持ち出して詳細に策定しなければならない。

[比較と特徴]
実際のコンサルタントと経営陣との会話の抜粋など、臨場感のある記載により事例の紹介がなされており、詳細の理解も深まる内容となっている。
現場を見て計画を立てる、目標と現状との差分をコスト削減と抜本的改革の施策により解決していく計画を立てるなど、基本的な流れは大前研一氏の企業参謀およびその要約リニューアル版(http://kazunotesu.jp/blog-entry-80.html?sp)と変わらない。
本書の分量は企業参謀より簡潔でリニューアル版より厚めだ。

ただし、本書の内容は実際の事例にそった細かさが特徴的で、一般的な本の事例よりも分かりやすいと思う。同じ化粧品事業でも企業によって勝負どころが違うということを仕組みから説明するなど、リアルのタイトル通り本格的である。
事業の計画を立てるときに助けとなりそうな一冊だ。
[参考となる他の人々のサイト]
https://meti-journal.jp/p/38
経済産業省にある2017年7月のインタビュー記事。今後の産業界全体の方向性と日本のとるべき方針について述べている。

https://www.axiom.co.jp/column/sp/igpi2015
本書のタイトルにもあるIGPI(経営共創基盤という会社の略称)の事業について、社長である著者がインタビュー形式で説明している記事。

~~~~~
http://amzn.to/2pnYcqg
事業運営論:事業運営や未来予測を反映するポイントについて整理した本。

http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION:様々な事業や業界の今後について僕の見解を述べているサイト


無料で知見を磨くのに便利そうなサイト


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Author:kazunori
こんにちは。読書アクセスを運営しておりますカズノリといいます。
趣味は読書とラジオを聴くことです。
本屋をぶらつくのが好きで、仕事帰りや休日に歩き回っています。ネットで色々なサイトも見ながら本の情報を仕入れては、家やカフェ、通勤途中で、読書をして考えごとを巡らせています。

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