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読書アクセス
「充実した読書につなげられるような案内作り」をテーマとして、多読のビジネスマンが本の紹介や比較をしているWebサイト
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2016年


2016年大晦日。このサイトが活動を初めたのが今年の4月で、初めての年越しです。
日々大量の本が出てくるなかで参考として活躍する、良い読書へのアクセスサイトにするという理念で運営しています。
当サイトのタイトルは、最初は「人生分析」(7つの習慣みたいな系統の本をたくさん読もうとしていたため)、その次に「読書フィルター」(記事にする本をしぼりこんでいると感じていたため)、その次に今の「読書アクセス」(良い本とユーザーをつなぐ場になるかもしれないと考えたため)と遷移してきました。
構成については、本を読み進めるとき持っていると内容がより入ってきやすいような視点をなるべく盛り込もうとしています。

常に僕自身で読んで良いと思ったものを記事にあげてきました。たくさんの良い本に出会えて、amazonに出品している沢山の本屋さん、みなとみらいや神谷町、新宿の本屋さんに感謝しています。
来年はどんな記事をあげていくか、どんなものに出会えるだろうかと今からわくわくしています。

それでは皆さん、よいお年を。
来年もよろしくお願いします。

「WIRED vol.26」オバマ大統領対談など


MITメディアラボの伊藤穣一所長、WIRED米国編集長と、バラク・オバマ大統領の談話が特集されている一冊。
談話が行われたのは2016.8.24で、最近の話だ。ちなみにテクノロジー雑誌として著名なWIREDではあるが、さすがに現役大統領をゲストに迎えるのは初めてらしい。 ここでは人工知能と社会の関わりについて、3人だけで語っている。

アメリカ大統領の社会として取り組む上で課題として認識していることは、人類として今後課題になる可能性が最大のものたちである。アメリカ大統領には国家安全保障チームや科学政策顧問などが付いて世界最高の知見が集められている。
この記事はテクノロジーと今後の社会について極めて重要なものであると思う。



まず、AIは拡張知能であり、どんな価値判断を埋め込むか議論になると皆が合意する。これは人工知能の仕組みから。
そして人工知能研究の中心に民間機関のみが関与する場合、その議論は多様な価値判断をふまえて行うことが出来るのか、リスクにさらされる。このため政府の資本投入による関与は必須と考えられる。
また、規模の確保としても、現在の10億ドルは過小とされる。宇宙計画の際のGDPの0.5%基準でいくなら800億ドル。社会として本気の取り組み・ブレークスルーには政府の関与が不可欠ではないのかという意見を述べている(!)。

今後議論になるテーマの1つはいつどのような状況において人工知能の活用が望まれるのか、その場面の決定である。「人を人たらしめているのはわれわれの欠点だ」という大統領の人間観。
ニューロダイバーシティ問題(モーツァルトもアインシュタインも、神経学的にノーマルではない)から人工知能の管理が精神科に及ぶことは慎重にならねばならない。

さらに、経済と人工知能との関係からは、経済が全ての人のきちんと収入を得られる環境をどう設定していくのかが問われる。何にいくら払うのが適正なのか。文化支援や教師等の給与が議論になるだろう。

談話はどんな困難に直面しても「自分たちなら解決できる」という精神こそが世界から人々をひきつけるアメリカの本質で、同時に人間の本質であることを述べて終わる。テクノロジーに向き合うにあたって、前向きに進んでいるのだ。

この記事の他は、2016年時点の新しい技術を用いたベンチャーの紹介など。

「ザ・会社改造」三枝匡 著


外資系コンサルティング会社を経て、企業再生・経営のプロとして活躍したあとに上場企業の社長となって急成長を遂げた「プロ経営者」の社長時代のビジネス回顧録。

合間に図表を用いながら経営戦略のポイントを説明するなど、構成としてはアメリカの起業家・投資家のビジネス回顧録に多いタイプだ。
ビジネスの話題がほとんどであり、ビジネス本としても捉えられる一冊。
[読者イメージ]
ビジネス本の抽象的なところが耐えられない、何となく入り込めないという方に応えられるような本なので、例えば部屋に買い置いただけのビジネス本のあるような方、小説なら読み進む方に良いはずだ。
回顧録というには社長時代に特化しているため、人間そのものというより社長としての振るまいを細かく描写してほしい、というニーズがあるなら社員との会話も随所に入るこの本はお薦めだ。


[視点]
読み進むうえでの効果的な視点は、筆者の問題意識がどこにあったのか追いかけながら読むことだろう。教訓として至るところでまとめられているため、それを読めば整理されて記憶に残るような構造になっている。
複雑な事業を理解し、問題を構造的に把握して本質をシンプルにスライド等の文章で説明するということが筆者の本職なのも、読みやすい形になっている要因だと思う。

そして得られる知見は、筆者のそうした技術である。日頃考える道筋が多様になるはずだ。
[比較と特徴]
経営コンサルティングで実績をつみ、それらの見識を活かして着実に企業を成長させるというストーリー。経営コンサルティングをしたり雇ったりということに興味をもつ方には、発見のある読書となるだろう。

「企画脳」秋元康 著


芸能界のヒットメーカーによる、異色のビジネス書。戦略や経営理論といった言葉は使われず、ひたすら「良い企画を形にして通し、ヒットさせる」ことを追究していく作品である。

もしも「提案がありきたりでつまらないと言われた」、「面白いと思ったのに記憶にも残らない…」という苦しい思いをしているのであれば、この本は気持ちを整理して次へ進むのに力になってくれるだろう。
芸能界で存在したプレゼン(企画が紙一枚)や考えるときの意識の巡らせ方を教えてくれていて、読んでいて面白い本でもある。



この本を読むのに効果的な視点は、仕事のどの部分について述べているのか意識することだ。
ホワイトカラーでも、input~加工~output という一連のプロセスを考えることが出来る。そしてこの本の概略は、
・日々の記憶の工夫をinputのポイント、
・差別化の工夫を加工のポイント、
・プレゼンの意識の置き方をoutputのポイント、
としてそれぞれ深堀して説明しているというものだ。

日々の記憶というところは、どこまでも感性を磨くしかなくマネするのも苦労しそうだが、その他はすぐに役立つような可能性を感じる。

「マッキンゼー流最高の社風の作り方」ニール・ドシ、リンゼイ・マクレガー著


マッキンゼー社のOBであり夫婦である二人が、組織設計を戦略や業務プロセスではなく、心理学などの知見をもとにして「社風」の観点から考えた本。
ビジョナリー・カンパニーなど会社の社風と経営成績の相関関係を述べる本は数多くあるが、この本は組織心理学をテコに因果関係を明らかにしていく展開となっている。
夫婦はこの考え方をもとに組織(企業、夫婦などチームワークのあるところ)を優れたものにする理論と手法を構築し、日々自らの企業で実践している。
[読者イメージ]
効率を追求する流れに疑問をもつ人、その先にある硬直・停滞に危機を感じるような人には、現状を打開するための武器となる理論だ。
多くの人にとって、「何となくそのような気はしていたんだが明確に理解できた!」という発見があるだろう。
心理学の研究成果、Google等の取り組んだ解決策(ベストプラクティス)を挙げており、現状打開への一手をつかみとれると思う。


[視点]
本書はいくつもの手法、理論が盛り込まれている作品だ。これ自体、企業を変革する現場で導きとなるような役割を期待して記されているという。

読み進めるにあたっては、社風が力をもつときの鍵となる直接動機と、逆にマイナスとなる間接動機について心理学の知見・その知見から導かれる理論を見つけだすという視点が情報整理に良いだろう。
次に、手法を整理して読んでいく視点だ。
出てくる理論の一つは次の通りだ。
心理学の研究成果として、ボーナスが呈示されてもパフォーマンスがあがらないパターン、成績に応じた表彰がパフォーマンスを悪化させてしまった現象などが呈示され、その仕組みが解き明かされる。
ここから導かれるのは「キャンセル理論」だ。報酬の有無が細かすぎるとき、報酬のつかないものへのインセンティブは報酬制度を導入する前よりも下がるのである。
この理論に気をつけて企業のパフォーマンスを高める取り組み事例の紹介が後に挙げられ、変革の手法が解説されていく。

[比較と特徴]
社風と企業成績の相関関係を述べる本や、例えばスターバックス社長の回顧録も、社風の強さを感じさせるものとして挙げられる。
そのなかにあって、本書は学術的な展開が優れていると思う。働いている人の気持ちなどを語るものとして回顧録も深みがあるが、組織のなかで方針を立て、実行していくときに力をもつという点で、本書は圧倒的に優れていると思う。





「HARD THINGS」ベン・ホロヴィッツ著


アメリカの起業家・ベンチャー投資家であるベン・ホロヴィッツの回顧録。シリコンバレーの有名な成功者らしい。



アメリカの経済界の大きな成功者の回顧録という意味で言えば、起業家~育て上げた大企業(シティグループ)の経営者という経歴を教訓と共に述べたサンディ・ワイル、


弁護士~転職して投資銀行(ゴールドマン・サックス。新米から会長になるまで)~財務長官までの経歴を教訓と共に述べたロバート・ルービンの著作もある。



アメリカを離れて言えば、日本でもコンサルティング会社~独立で企業再生家~上場企業社長として飛躍的成長牽引という経歴をもつ三枝匡氏も教訓をふんだんに盛り込んだ回顧録を近年出している。


せっかく時間をかけて読むなら、最も興味ある経歴をもつ人の回顧録を読むのが効果的なのではないだろうか。
HARDTHINGSが評価される(ハーバード・ビジネス・レビューで読むべき本2015年1位)のは、まさに最近シリコンバレーで起きているような出来事の内幕や雰囲気を伝えてくれているという同時代性が大きいだろう。
変化の早いテクノロジーの最前線で優位性を保つ競争を続ける経営の日々を知るのにおすすめだ。



「生産性」伊賀泰代 著


マッキンゼーで人事を企画してきた人が、最高のパフォーマンスを発揮する組織の作り方、個人として発揮するための考え方を述べた本。
タイトルになっている生産性は、本書のキーワードである。扱うテーマは、生産性という概念の説明から始まり、組織の評価制度、社会の中の企業の在り方まで及んでいる。
2016年12月、ほとんどの本屋で平積みされている好評ぶりである。
[読者イメージ]
企業活動を活発にしたい人を筆頭に、およそ何かしらのチームを活性化したいと考える人を想定して記されている本。
管理部門評価や組織論を中心に、チームの在り方を考える手助けになることが目的とされている。


[視点]
本当に合理的に考えた場合、チームがスムーズに動く仕組みはどのようなものかを問いながら読むことで、情報が整理されていくだろう。
合理的にはいかない環境にあったとしても、その仕組みの知識は一つのものの見方として力になっていくだろう。
この本にある人や社会に対する目線は、とても前向きだ。強烈にパフォーマンスを出すことを支え、ここで出せないなら他で出すことがその人の幸せと考える仕組みがあるように思える。
企業をそのような場ととらえ、ときに批判されてきつつも、ひたすら前進を掲げている企業なりの思想の一端にふれることが出来る本だと思う。
[比較と特徴]
一人のプレーヤーとしての生産性の本であれば、イシューからはじめよ等の名著も存在するが、それらと比較すると、一歩引いた管理部門の目線から述べていることが本書の特徴だ。
生産性を追求するこの思想は、大企業で疲れた心で作業する人を減らし、楽しく働ける人を増やすきっかけとなり、長期的に社会のためかもしれない。



ただ、こうした社会の動きについて長い視点で見れば流動性の少ない戦後日本が異様だと述べる人はいて(例えば堀紘一さん)、そうした人の本を読むことは視野を広め、心をより前向きにしてくれる効果があると思う。






「ビジネスモデルの教科書」大前研一 著


コンサルティング界の大御所による、授業のような一冊。一つのテーマにつきだいたい20ページずつ割いて、経営の理論的に望ましい方針について過程を含めて述べている。

扱うテーマはコカコーラ社の製品戦略、キャノンの事業再構築など様々で、それぞれ統計の図表を用いたり数値を具体的に挙げて解説している。
[読者イメージ]
共に考えながら方法論を身につけていく読み手を想定した本であり、考える方法論を身につけようという意識のある人にとって、役立つ本となるだろう。
大前研一氏自身も他の著作の記述によれば、コンサルティング会社に入ってしばらくは先輩の事例を学んで方法論を身につけたという過去を経て技術を高めてきたという。



余談だがリンク先のKindle版がお買い得の価格設定になっている。(紙の本の半額)
これも戦略なのだろうか…
[視点]
内容をより整理して理解するのには、大前研一氏自身のかつて提唱した3C分析(顧客、競合、自社に注目して思考を進める)が適切だ。
顧客を地域で分けたり売れ筋品目で探ったり、競合との差異を決算や店舗数から探ったり、どれかがスタートになっている。
[比較と特徴]
一日一テーマなど決めて読むのに良い、手軽な頭の体操本だと思う。
企業の業務プロセスを読みとき、勝負すべきポイントを見極めて競争戦略を考えるなど、やや抽象的にはなるがひたすら考え方を述べる入門書なども同じ著者の作品にあるので、好みに合わせて選べる。

(紙で読みたい人に。中古にすると価格も安い)




「UMLによる一気通貫DBシステム設計」細川努 著


現実の動きとシステムの動きを対応させるために存在するデータモデル。この本は、その標準であるUMLを軸にデータモデルの使い方を解説した本である。
これから世の中のデータ量が増え、比較的安価なクラウドサービスによるシステム処理の活躍の場が増えるなかで、注目を浴びるだろう考え方だ。
[読者イメージ]
この本の読者としてイメージされるのは、技術の進歩で職場環境が変化することに課題を感じる人だ。システムとの関わり方を学んでいくことが機会になると考え、興味をもって読み進められるだろう。
データの移動を設計することはデジタルマーケティングなど今すでに注目されている領域でも活きるはずだ。

[視点]
UMLは様々な図にシステム上の情報推移を表現することによって開発技術者~システム利用者の理解を合わせ、本当に役立つシステムの導入を実現するいくつかの標準モデル言語だ。
(Unified modelling language)

この本では主要なUMLについて具体例をあげながら使われる場面、作られ方を説明している。
例えば最もシステム利用者と近いところで使われるユースケース図というものについて、
・システムに対する役職者ごとの業務要求を羅列するもの
・描く範囲を限定して、要求される業務機能の説明、アクターと業務の接続を示すもの
・システム開発の最初に作成されることが多い

といった説明、図の具体例が載せられている。
個人的な感覚となるが、新宿の大型書店で同じテーマの書籍を5~6冊くらい見て最高レベルに分かりやすいものだった。

システム導入が業務のどの部分に為されるか、どのように使えば良いか把握するための技術として読んで整理できるだろう。
[比較と特徴]
情報技術のコーナーにあるような本としては読みやすい。図による説明も多く、今後出会うような情報技術について位置づけを知るのに有益な視点が得られる一冊だ。

「稼ぐ力」大前研一 著


日頃従事する仕事への意識を、もっと稼げるものにするべく改造するための本。そのベースとなる知識は、大前研一さんのマッキンゼー時代から大学経営の今に至る、人材育成と社会観だ。

日本企業、社会の直面している国際競争という課題や対策をふんだんにちりばめている本であるため、個人や企業がアイデアとして検討できるような指摘が多く盛り込まれている。
例えば人事のデータベースを構築して具体的な実績やチームワークの叙述を加え、会社の将来を担える人材を見つけ出して有能な上司のもとで鍛える仕組みの構築、花王の社員は7割が日本人だがP&Gは北米人が4割、というデータなど。
この本のテーマは、「グローバル競争で」稼ぐ力なのだ。

[読者イメージ]
グローバル競争に関与していこうという人々にとって予め刺激を与えてくれる本であり、グローバル競争に巻き込まれている人にとっては俯瞰的な視野を与えてくれる本。明確なプレッシャーのない日常にいるのであれば、世界基準のプレッシャーをかけてくれる効用もありそうだ。
例えば「優れた人材」が新たなポストに配属された場合、ラーニングからリーダーシップの発揮までの期間は三ヶ月だという。三ヶ月でリーダーシップをとれているだろうかと誰でも思わず自問すると思う。


[視点]
この本を読み進めるのに有効な視点は、自らの働き方をinput~加工~outputでわけ、加工の部分についてどのような工夫が自分なりに出来ているかを問われている、と自分事にして読むことだ。

先の三ヶ月の話に加え、マッキンゼー時代の採用面接で「自らの部署の財務を立て直した」などの仕事に名札のつくストーリーを重視した結果採用後も成長が順調だったという話などもあり、この加工の結果を追求する姿勢の重要性が強調されている。
[比較と特徴]
他の多くのビジネス本と比べると、「○○した方が良い」というより、「世界で勝てるビジネスマンはこんな感じ」というようなアドバイスである。伸び悩みや慢心の起こるようなときに、他の優秀な事例を示してくれる有用な本と思う。
本書と別な視点として、グローバルだけが産業の現場ではないということに着目したコンサルタントの本もある。冨山和彦氏の作品だ。(当サイトの記事
(また、本書の内容と関係ないが、「自分の採用は成功だ!」、と言っている大前氏は性格が前向きで部下から慕われていそうだと思う。間違いなく当時採用された部下からしたら嬉しいひと言だろう。こんな前向きでパワフルな感じが、そもそも競争社会での成功の秘訣なのかもしれない)



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kazunori

Author:kazunori
こんにちは。読書アクセスを運営しておりますカズノリといいます。
趣味は読書とラジオを聴くことです。
本屋をぶらつくのが好きで、仕事帰りや休日に歩き回っています。ネットで色々なサイトも見ながら本の情報を仕入れては、家やカフェ、通勤途中で、読書をして考えごとを巡らせています。

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