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「充実した読書につなげられるような案内作り」をテーマとして、多読のビジネスマンが本の紹介や比較をしているWebサイト
09 | 2016/10 | 11
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「本音で生きる」堀江貴文著
堀江貴文さんの本は、本音で生きることの価値を様々な具体的な形で説いている事と、経済が特徴的だ。

本の比較に入る前に、堀江貴文さんの人生のゴールは何だろう、と考えたとき、実業家という所には本質は無さそうだ。
ステラモーターズのイーロンマスクや、日本なら松下幸之助といった人は「こんな企業努力・製品でこんなふうに社会を変えるんだ」という明確なメッセージを人生のミッションとして社会へ向けている。そうした人物を本質的に実業家だと言うのだろう。

それではどんな本質なのか考えるに、おそらく、文化人なのだと僕は思う。人生のゴールは「その時その時の楽しいことを本音で全力で楽しむ」というものだ。アーティストのようだ。

本を出版するときもその性質が前面に出ているのではないかと思っている(もちろん役に立つ、ビジネスとして成功するという現実把握も確実に行っているはずだが)。

そんなわけで、本には本音で堀江さんの意見が出ている。社会への思いやり表現を重視する・好む人々からすれば批判の気持ちを呼び起こすだろうし、それは読む人の好みだろうと確かに思える個性派だ。
もちろん、ウシジマくんとのコラボ本で原発問題や大阪都構想の話を慎重に根拠を挙げず唐突に出して意見を主張したりと、いかにも批判を受けそうな箇所も随所にある。
ただし総合的にみて、根拠と論理を挙げながら日頃聞かないような新鮮な主張をしている箇所も多いので、イライラして集中できないほどでなければ考えることの多い面白い本が多いと思う。

ここで一冊紹介しよう。


「本音で生きる」というテーマをそのまま題名にしていてテーマもシンプルだし、多分この人の本の中で一番安い。

普遍的なテーマは、「誰が」「どれだけ論理的且つ根拠をつけて」「どこまで具体的に」述べていくかで影響力が決まる。堀江貴文さんのような同時代人の新書で読むのは効率的だと思う。
古典の名著があるなら別だが、近いテーマはあっても「本音で生きることを勧める」というテーマの名著は見ない。

人生のゴールを自ら選びとることを述べる自己啓発の名著なら近いので効果的だ。ともかく、まさしく現代に脚光を浴びてきているテーマなのだと感じる。

七つの習慣の主体性の習慣は、本音で生きるにはまず自らの本当のゴールは何だろうと時間をかけて考えることからだ、と考えさせるので補完になる。あわせておすすめだ。

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「愛するということ」E.フロム 著


一時多くの書店で平積みになっていた本。
多くのビジネス本のように話の構造が目次などでわかりやすく整理されているわけではない。ここでは内容について概要を説明し、他の似たようなテーマの本と比較して本選びの資料にしたい。

思うにこの本が対象に考えているのは、「好きな人がいてそれなりに愛し合ってると思うけれど自信がないので心理学者の古典を読んでもうちょっと考えたい」ときである。愛することの基準を策定し解説したりしている。


[視点]
まず初めに、愛するということは自然な成り行きではなく技術だと述べ、これはその解説本だという立場を説明している。
人間のゴールについての定義を「孤独から逃れること」におき、その達成方法について、
興奮or
周囲との同調or
創造的活動にいそしむor
人と愛し合う
の4つを挙げて、4つめ以外の手段には欠点を挙げている。
次に愛し合うことを理解するのに、支配や服従との比較を行い、「愛するためには性格が生産的な段階に達していなければならない」と結論する。

その客観的な測定は「配慮、責任、尊重、知」であるとして、例えば尊重では、
「その人が、私のためにではなくその人自身のためにその人なりのやり方で成長していってほしい」と望んでいるかどうかを判定するなど、具体的な内容についても踏み込んで説明を加えている。

[比較と特徴]
対話の姿勢に関して同じ結論に至る「七つの習慣」は主体的に人生を動くことから述べており、
「理解し合うにはまず自らを確立しなければいけない」という、本書では前提として軽く述べられている部分が詳細に説明されている。
ただ「愛するということ」にテーマをおいて話を進めているのはフロムの本書で、また分量もそれほど重くない。
現時点での興味に合わせて読み始めたらいいのではないかと思う。

歴史学の古典


古典のなかでも歴史についてのものは、その内容においてヘロドトスとトゥキュディデスの作品がよく比較され、登場してくる。
今回はこの2つのうち、主にトゥキュディデスの作品について紹介したい。(久保正彰氏の翻訳版で読んでいる)

ヘロドトスとトゥキュディデスの両者の著作とも古代ギリシア時代の戦争を軸としたものだが、前者がそれを物語としているのに対し、後者では論説の多い考えさせる作品としている。
特に有名な語句がここから登場していて、「ペリクレスの葬送演説」「話を目で眺め、事実を耳で聞く」などは聞いたことがあるのではないだろうか。(後者は先日の新聞にも引用されていた)
ペリクレスの代表的な演説として知られる葬送演説は、以下の通り内容を分析できる。

・英雄の行動を讃えることを一人の演説者の演説の上手さに委ねてはならない、と認識を整理。
記憶の確認程度に事績をのべる。

・彼らが何のために戦ったのか、社会の理念の話にうつる。
他の政体との比較による明確化
理念の体現としての制度のポイント指摘
社会を担う市民の精神の格調高さを確認
~これらの理念の確認によって、聴く者の誇りを呼び起こしている。

・具体的な年金の話を行い、社会から英雄への補償を確認。最後に英雄への気持ちをつくしたら立ち去るがよいと述べ、演説おわり。

英雄の評価を行い、社会の団結力を高めることにおいて理路整然とした演説に構成されていることに、古代の人たちへの見方も改まる人が多いと思う。これは2500年以上も前の、紀元前450年頃の人の演説なのだ。

それでは彼らの演説はとても素晴らしくて現代には模範でしかないかといえば、それは違う。
古代アテネの政治では「社会のため」を打ち出しているがために、この演説に数ヵ所みられるように、「自ら人生のゴールを決める」ということの自由を制限している。
また、社会の存続のためということでの徴兵に負担感をもたない。これは時代の豊かさが大きく影響していることではあるが、軍事行動という選択肢を極めて軽く考えている価値観は随所にあらわれる。

そうは言っても、世界史を漫然と受験勉強で学ぶより、はるかに古代のイメージがもてる良書であることが間違いない。
歴史に想いを馳せるにも、社会は何を掲げるべきか考えるにも、おすすめの一冊である。



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こんにちは。読書アクセスを運営しておりますカズノリといいます。
趣味は読書とラジオを聴くことです。
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