読書アクセス
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「地球の論点」スチュアート・ブラント著


地球全体の出来事について常に関心をもち、かつてはホールアース・カタログも記した人物による作品。著者は、興味の赴くままに雑誌編集する編集長兼活動家という印象だ。
この本では地球環境に対して焦点をあてて話が始まっている。

(見解)
著者の調べでは、地球の気候システムは本書の出た2011年で解明されておらず、1万3000年前の気温15度低下や5500万年前の水温8度上昇なども再発防止策は不明。
気候システムと経済システムが調和するように、気候システムの解明に力を向け、動きをチェックする意識が必要だと述べる。
また、生態系については、人類による変化の歴史は長く自然なことであり、遺伝子組み換えを含むバイオテクノロジーが合成生物学として21世紀を牽引するのは間違いないと述べる。

(内容)
気候システムの調査や世界中への取材による話が散りばめられた一冊。ケビン・ケリーの著作といい、アメリカには世界中の見聞をまとめたような作品が多くある印象である。
本書で上記の見解の他に印象的だったのは、日本のかつての経済成長と直近の停滞の説明を、労働人口の動きそのものと述べているところだ。
デービット・アトキンソンも著作http://kazunotesu.jp/blog-entry-143.html?spで同じことをより根拠をつけて述べていたが、海外から現象だけを素直にみるとそのように考え至るのだろう。
「技術の強さ、職人技etc.」を作り出すのも人なので、人が多ければ育つ可能性も高いというのも一理あるように思う。
日本の文化や教育熱心な風土も影響はあると思うが、人がいてこそである。

未来予測の本としては、地球環境という論点が他の本と比べて新しい。本書を読むことで、地球の気候や生態系への意識は少し深まると感じる。
(参考)
http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/19/10-11.html
国立環境研究所による、スーパーコンピューターの活用による気候予測の説明。コンピューターやセンサーの性能の高まりにより、今後さらに精度が高まっていくのだろう。

(その他)
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION:様々な事業の動向を考えている斉藤
「ブロックチェーン・レボリューション」ドン・タプスコット著


デジタル技術によって世界が変わるという話題において、主な技術に挙げられやすいものといえばブロックチェーンではないだろうか。
ビットコインなど金融分野にとどまらず、契約の実現を組織でなくテクノロジーに置き換える、巨大な台帳。それは取引の種類にもよるが、基本的に既存の集権的なビジネス、制度にたいして変革や大きな効率化をもたらす可能性があるものだ。

本書はそのブロックチェーン技術について第一人者が解説するものだ。そして他の第一人者たちによる高評価も得ているらしい。分かりにくいテクノロジーの話について大きく間違えずに基礎知識を得るには、最も適している一冊だろう。


(見解)
本書はブロックチェーン技術をインターネットばりに世界を一変する力があると考えている。
それはどんな取引でも記録でき、その信頼性に中央集権の力を必要としない特性をもつ。
ブロックチェーンの金融技術に可能性を感じ、巨大銀行の幹部や巨大IT企業の幹部がビジネスを試しつつあるのが現状である。
この技術の懸念は取引の拡大により処理能力の限界がくる可能性や、データ記録に用いられる電力コストであり、その解決に向けても日々努力が続けられている。

(比較と特徴)
本書はブロックチェーンによる変化に焦点を当てた未来予測の本である。
技術についてすっきり分かるわけではない。それは他の未来予測の本(アレック・ロスの本http://kazunotesu.jp/blog-entry-137.html?spなど)と同レベルといっていい。

本書がそのような未来予測の本と異なるのは詳しい著者がブロックチェーンに話題を特化し、そこから全ての領域への影響を洞察するところだ。また、発行が2016年の後半であり、最近の様々な企業の反応も描かれている。
ブロックチェーン技術に特に注目する人にとっては、未来予測に力になる一冊だ。もしブロックチェーン開発がうまくいった場合、その波及を素早く理解できるようになると思う。

(参考になりそうな記事)
ボストン・コンサルティング・グループによるブロックチェーン技術の論考

AIとブロックチェーンに関するITメディアの記事

(その他)
http://topicvision.jugem.jp/
トピックVISION: ニュースになるような様々な話題について情報を整理しているサイト

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アクセスVISION: 様々な事業や市場について今後の動向を考えているサイト

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「困ります、ファインマンさん」R.ファインマン著


この作品はノーベル物理学賞を受賞しており数々のエピソードでも知られるリチャード・ファインマン氏の回顧録である。
「ご冗談でしょう、ファインマンさん」という著作のエピソードは人柄の出た笑えるエピソード中心となっているが、本作品はファインマン氏の恋愛と結婚生活に加え、ロスアラモスの原爆開発プロジェクトやNASAのスペースシャトル事故調査委員会に携わったこと・そこから悩んだ末に出てきた考え(講演)が述べられており、作品の雰囲気が異なる。
また、「ご冗談でしょう~」は取っつきやすさからか本屋でもよく見かけるが、本書はあまり見かけない。しかし両方読んだ感想を言わせてもらえば、本書も(むしろ、本書の方が)人柄の伝わるエピソードが収められていて、それに加えて問題に対処する考え方や科学技術への洞察があり、面白い本である。



[ファインマン氏の洞察を数点紹介]
NASAのスペースシャトル事故であるチャレンジャー号事件は1986年に起きたロケット打ち上げの失敗で、アメリカの国威に関わる大事件であった。
この調査と問題解決のために組まれた委員会は当然各界のトップクラスの有識者をそろえたメンバーであり、ノーベル物理学者であったファインマン氏は中でも問題解決のキーパーソンであった。

彼の観察に出てくるポイントの、一例を挙げるとすれば次の文だ。
「こっちは理論的に起きる可能性のあることに基づいて質問をしているのだが、作業員の連中から見れば、僕は彼らの扱っている技術的な問題がツーカーで通じる相手に見えるわけだ。
工員たちはみるみるくつろいできて、組立作業で改良できる点などの、いろんな思いつきをしゃべりはじめた。」

理論物理学者であるファインマンは、問題となりうるポイントを仮説としておさえてあり、調査に乗り込む前に専門家を集めた1日がかりの勉強でドライブをかけた知識をもとに質問を進めていたのだ。単なる論理でなく、現場に活きている知識を理解していることは信頼関係を作り出す。
誇りをもって働いている職人気質であればあるほどそうだろうと思う。

本書は「科学の価値とは何か」という章でしめくくられる。ファインマン氏は理論物理学の優秀な若者として、原爆開発に携わり、うちひしがれ、1955年にもととなる講演を行った。
「科学があれほどの破壊をもたらしたのを目のあたりに見た僕は、自分がこれほど愛し、これほど全身全霊を打ちこんできた科学というものの価値とは、そもそも何なのか?という疑問につきあたった。僕は是が非でもその解答を見つけなければ気がすまなかった」という序文。
科学の価値として氏の述べていることのエッセンスを僕が一言でまとめるなら、それは「未来に選択肢をより多く残すこと」である。
もっというなら、科学があったことで人の想像力も実現力も高められてきた。科学の追求は知識への誠実さをもととしており、その成果の確立は民主主義の確立とも時期が重なるという。
「着実に進歩を重ねてゆくためには、自分の無知を悟り、疑問の余地を残すということ、これこそが最も重要なことであると私たちは学んできました。」
科学に疎い人でも、本書は本当に楽しく読める。僕自身文系だったが、本当に楽しかった。おすすめの本だ。
(参考になるサイト)
YouTubeに、ファインマン氏の業績とインタビューをまとめている動画がある。但し英語だ。
https://youtu.be/LyqleIxXTpw



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「フリー」クリス・アンダーソン著


本書は科学雑誌「wired」の編集長を10年務め、その後起業して経営者となっている人物が経済活動の新たな視点を提起する本だ。
あらゆるデジタルサービスが無料化を進めているが、それはコンテンツを無料で配信することとなる作り手にとって必ずしもマイナスではない、という考えを掘り下げている所は現代のビジネスモデルを考えるのに有用だと思う。

[見解]
無料ビジネスは「一部だけ無料」「第三者から料金獲得」「特別なものだけ有料(フリーミアムと呼ばれる)」の3パターンあり、これらは従来から存在していた。しかし無料化しやすいデジタル情報が増えており、今後特に注目されていく。
[内容]
ファンを得るまでは無料で活動するアーティストや無料試供品など、無料ビジネスはもともと存在していたが、これからサービスの一部をYouTubeで無料配信する、ゲームの一部だけ無料で遊べるなどデジタルを絡めた無料ビジネスが増える。
この直近の例では、TEDが内容を無料配信しつつも来場チケットを高値で売ることに成功していることなどを挙げている。
また、広告掲載で収益をあげ、利用者は無料というビジネスは既に多く成り立っている。

[比較と特徴]
デジタル技術の活用方法の1つとしての無料化活用ビジネスにテーマをしぼり、具体例をあげながら説明している所が特徴だ。
他にデジタル技術のビジネスへの活用を提案する本には大前研一氏の著作「テクノロジー4.0http://kazunotesu.jp/blog-entry-119.html?sp」がある。
比較対象を挙げたものの本書の内容は無料化だけを扱う点でとても独特なので、内容の気になる方は書店の立ち読みでも、実際に読んでみるのが良いだろう。

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「人工知能は人間を超えるか」松尾豊 著


国内外の大学で研究を行い、人工知能研究の第一人者である著者が現在の人工知能について説明し正確な理解を広めようとしている本。
今後の人工知能の技術レベルの向上と社会の変化についても洞察がなされている。

[見解]
現在の人工知能の最先端は意味のある変数(特徴量)を自ら見つけ出して世界の理解を深められるディープラーニングにあり、与えられた個々の変数と結果の間にあるパターンだけを発見してきた機械学習とは一線を画する。但し、理解を深める速さや正確性が高まることにとどまっている。
異常検知や画像診断といった分析も機械に置き換わっていく。
企業内の活動を見直したり、産業の業務プロセスを変革するような新規事業が模索されている。

ディープラーニングは、機械学習が個々の変数と事象の関係をひたすら検証するところ、変数同士を括ってみて本当に特徴となる項目を探すことで速さと正確性を高めたもの。
[比較と特徴]
人工知能の分析方法を解説し、その研究発展の歴史が分かるという特徴をもつ本。
既にビジネス本では多く技術の活用が述べられているが、そうした他の本に比べると「与えられたデータを分析して判定する知能」という技術につき特に理解を深められる一冊である。
関わりのある方は、これを読むだけで今後のニュースの理解も変わるのではないかと思う。
[参考となる他の人々のサイト]
http://www.worksight.jp/issues/607.html
ウォークサイトという雑誌の記者による著者へのインタビュー。人工知能の開発段階とビジネスへの活用について応えている。

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