FC2ブログ
読書アクセス
「充実した読書につなげられるような案内作り」をテーマとして、多読のビジネスマンが本の紹介や比較をしているWebサイト
02 | 2019/03 | 04
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

「思考スピードの経営」(ビル・ゲイツ著)



マイクロソフト社を創業した、ビル・ゲイツの作品。20世紀末に記された本ながら、さすがにデジタル時代を作り出したリーダーの1人というべきか、内容は2019年の今も有益だ。多くの企業が、本書に記載のいつでもすぐ必要なデータを届けてくれる情報システムの構築に、現在進行形で取り組んでいる。
ビル・ゲイツによればデジタル時代の特徴は次のようなことだ。
・史上初めて、あらゆる形の情報-数字、文章、音声、映像-がデジタル形式で表現されるようになり、それをどんなコンピューターでも蓄積、加工、転送することが可能になってきた
・史上初めて、標準のソフトウェアのプラットフォームと標準のハードウェアが組み合わさって規模の経済を創出出来るようになり、どんな規模の会社にも強力なソリューションを安い値段で与えてくれるようになった

このデジタル時代を、企業や個人がどう活用していけるのか、ビル・ゲイツの視点から述べてくれているのが本書である。


(作品の見解)
デジタル時代に、企業は統合化された情報の流れを実装する。これはデジタル・ナーバス・システムというべきもので、洞察力と協働をもたらす。
このことは、ビジネスに必要な三大要素(顧客や提携業者との関係、従業員、業務プロセス)を全て変革する。
その変革は特に、
・消費者や企業との取引のデジタル移行
・社内の知識や情報の管理方法のデジタル移行
・デジタルでの自動化や効率化、顧客関係強化
という三つのアプローチで進む

(細かい内容)
読んで頂けるとわかるが、上記は序論をまとめただけだ。以降約600ページにわたり、具体的な変化(使うツール、企業の成しうる工夫、人事の変化、ライフスタイルの変化)やあるべき対応策、実例(マイクロソフト社を含む)を伝えている。
ツールはもちろん、その後色々な企業が出てきて強化してきた。(Googleもこの本出版の後)
しかし考え方は、今の企業がIT戦略として説明するようなものを既に予見している。

(比較、参考)
デジタル時代を知ることについて、他の本だと、デジタル時代の経営をGoogle社長エリック・シュミットが説明する『How Google Works』が優れている。
文化やとるべき戦略など、デジタルサービス創出側の企業目線から述べているのがエリック・シュミット、その顧客としてデジタル化にとりくむ企業の目線から述べているのが本書という整理ができる。
いずれも400ページを超える作品なので、他にもっと軽い本を探すとすれば、大前研一氏がデジタル時代の戦略について述べたいくつかの本を読むことで考え方をいくつかおさえられると思う。
Web記事で言えば、デジタル化と企業の関係を述べているのは下記が優れていると思っている。

https://meti-journal.jp/p/38
冨山和彦氏が、わかりやすく具体例を出しながらデジタル化の威力を説明している記事

https://japan.zdnet.com/article/35108430/
デジタル化サービスの第一人者、マーク・ベニオフ氏が考えるプラットフォーム化の力、教育の高度化の必要性が述べられている

(その他)
https://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION:様々な事業や市場について、その動向を考えているサイト


http://hotbrowncoffee.jimdofree.com/
レポートバンク:世の中の動きを確認するのに有用な、国内外のレポートのリンク等を集めてあるサイト。詳細レポート作成は私も関わっている。

http://topicvision.jugem.jp/
トピックVISION:様々な話題について情報の整理をしているサイト
「IGPI流経営分析のリアルノウハウ」冨山和彦 著


本書は、外資系戦略コンサルティングファームをへて、ベンチャー企業に勤め、政府系機関で様々な企業の再建に手腕を発揮し、起業して複数の会社を経営し、政府委員も務めている…という著者が、経営分析して戦略を立て直すときの方法論を述べたものだ。
財務諸表を起点としつつも、さらにそこから現場でどこに注意すると的確な診断が出来るか、その診断を踏まえて企業ごとにどんな時間軸で計画を立てるか等につき細かくアドバイスが述べられている。近頃流行りの「決算書の読み方」系の書籍と同じ知識を得られる一冊でありながら、実績ある経営分析のプロが深堀りを加えている高級品だと言える。出版は2012年だが、何年たっても読む価値のある本である。

[見解]
企業の経営を立て直すには数年後の業界の姿と事業特性をふまえた勝ちパターンを想定して事業の構造を考える必要がある。それと共に、赤字があるのであれば情報を現場にも開示し、即効性のあるコスト削減を現場と話しながら細かく積み重ねることが最初に必要である。
この根拠は以下の通り。
・将来に向けてのコアビジネスとそうでないものを分類し、戦略的な取り組みを出来ていない事例が多い
・赤字企業は資金繰りから存続が緊急事態であり、コスト削減をしてキャッシュの積み上げを図ることは急務である
・現場と協力する際には「現状・目標・各施策とその効果の見込みを共有して一緒に考える」という姿勢でアイデアを募ることで施策効果を最大化できる

そして、勝ちパターンの策定においては、規模の経済が効くビジネスモデルなのか、スイッチングコストを高めやすいビジネスモデルか、等の観点を持ち出して詳細に策定しなければならない。

[比較と特徴]
実際のコンサルタントと経営陣との会話の抜粋など、臨場感のある記載により事例の紹介がなされており、詳細の理解も深まる内容となっている。
現場を見て計画を立てる、目標と現状との差分をコスト削減と抜本的改革の施策により解決していく計画を立てるなど、基本的な流れは大前研一氏の企業参謀およびその要約リニューアル版(http://kazunotesu.jp/blog-entry-80.html?sp)と変わらない。
本書の分量は企業参謀より簡潔でリニューアル版より厚めだ。

ただし、本書の内容は実際の事例にそった細かさが特徴的で、一般的な本の事例よりも分かりやすいと思う。同じ化粧品事業でも企業によって勝負どころが違うということを仕組みから説明するなど、リアルのタイトル通り本格的である。
事業の計画を立てるときに助けとなりそうな一冊だ。
[参考となる他の人々のサイト]
https://meti-journal.jp/p/38
経済産業省にある2017年7月のインタビュー記事。今後の産業界全体の方向性と日本のとるべき方針について述べている。

https://www.axiom.co.jp/column/sp/igpi2015
本書のタイトルにもあるIGPI(経営共創基盤という会社の略称)の事業について、社長である著者がインタビュー形式で説明している記事。

~~~~~
http://amzn.to/2pnYcqg
事業運営論:事業運営や未来予測を反映するポイントについて整理した本。

http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION:様々な事業や業界の今後について僕の見解を述べているサイト


無料で知見を磨くのに便利そうなサイト
「企業価値4倍のマネジメント」火浦俊彦著


企業経営について、ベイン社における戦略の定型的な設計方法とオペレーション体制を述べた本。
ベイン社はすかいらーくの再建などを成し遂げたベインキャピタルを立ち上げたりと、その知見の活用を本業の経営コンサルティングからさらに広げてきた企業としても知られる(資本関係はないらしい)。
戦略策定での必要な考慮事項が多くあるため、気を付けながら何度も繰り返し策定して上手になっていくのだろう。


(概要)
・企業戦略と事業戦略は分けて考えるべきもので、企業戦略では本社と事業部の役割を規定することが必要。
・事業戦略は「外部分析、事業のライフステージ分析、市場定義、トップシェアをとるための戦略、目標数値と個別施策を結びつけて明確な設計図にすること」が必要。
・KPIを現場の行動→現場の成果→財務成果と3階層で設定することが計画実行のために必要。
・戦略を作ったらその実現にフォーカスして設計された組織を作り出すことが必要。注目するのは意思決定のプロセスに関わる人の定義で、「起案・情報提供・規制等調査・意思決定・実行」の5段階について効率化・役割明確化をしていること。
・財務指標以外に、事業の実態をみるためには顧客の感動体験を測る指標をもつことが必要。「友人にすすめるか」の指標を使うのが現状最も効果的。

(比較と特徴)
大前研一氏や冨山和彦氏の著作の方が内容は簡潔であり、全体感をつかんで動くのには良いだろうし事業を自ら進める人にもおそらく効果的だろう。
本書は「特に大企業の組織と向き合いながら業務を進める時」に役に立つような細かさ、具体的図表の取り込みようであり、大企業で実務として詳細まで考える必要に迫られた場合に読むものではないかという読後の感想をもった。ただしそのような場面であれば力を発揮してくれるはずだ。

(参考)
http://diamond.jp/articles/-/54404
著者がコンサルタントとして考えていることについて述べているインタビュー

https://industry-co-creation.com/management/5009
著者が登壇者の一人となって経営者に求められるメンタリティを述べている会議の議事録。当サイトで著作を扱った熊谷正寿氏も出ている。

(その他)
事業分析と動向予測:アクセスVISIONの背景にある論理や技術について図表化しつつ整理した本
http://amzn.to/2Aqz7jU

にほんブログ村 経営ブログ マネジメントへ
にほんブログ村
「デジタルマーケティングの教科書」牧田幸裕著


デジタルマーケティングについて、戦略コンサルティングやIBMでの業務経験を積んできた著者が解説する本。
マーケティングの基本プロセス、そこにデジタル技術が起こす変革を述べている。
現在はスマートフォンの普及率が急速に高まり(H29情報通信白書で、日本は20代、30代の保有率が90%を超えている)、スクリーンも日常目にする機会が日に日に増えてきているデジタル化の過程にある。デジタル化のビジネス影響を知ることの重要性を感じている方は多いに違いない。この本はそのうちマーケティングについて様々な考え方を分かりやすくまとめてある良書である。



(概要)
マーケティングのプロセスは
①環境分析: 政治、経済、人口動態や行動様式、テクノロジーのうち事業に関わるものの分析
②戦略立案: 顧客のセグメント分け、成長性やアプローチ可能性でターゲティング、差別化の方針確定
③戦略実行: 施策をどんどん試していく
④戦略管理: 戦略が当たっているか指標を測定しつつ判断、施策に改良を加えたり取捨選択を進める

という順で進めていく。
このうちデジタル化は消費者の行動様式に変化を加え、企業からのアプローチ方法にも変化を加えてきている。
消費者は購入前にスマホでの検索、購入後にレビューの共有を行うようになったし、
企業はリアル店舗とオンラインサービスを連携し、一人一人に最適化された顧客体験や物流の効率化を実現するようになった。

(比較と特徴)
現代のマーケティングの本は本書でも引用される有識者であるコトラーからも出ている(当サイトの記事)が、特にデジタルとマーケティングの話を深堀りし、さらに日本での2017年後半までの先進的な事例を解説してくれているという点で本書は特徴的である。

(参考)
デジタルマーケティングの実践についての日本コカ・コーラ担当者インタビュー記事
http://www.cocacola.co.jp/stories/digital_marketing
アプリを展開してアプローチしてきた経験が述べられており、スピーディーに試して改善することがデジタルマーケティングに効果をもつのだろうと考えられる。

https://webtan.impress.co.jp/e/2016/11/15/23742
コンサルティングの大手アクセンチュアのディレクターによるデジタルマーケティングのインタビュー記事。
業務の現場で役立つKPI(成否の指標)の設定と、管理を責任もって行える組織の設立が成功の鍵であるということが述べられている。

以上から分かるのは、マーケティング施策のターゲットやメッセージなどの戦略を定めたら責任組織とKPIの一覧表を作り、スピーディーに実施と改善をするのが良いということた

(その他)
アクセスVISION:様々な事業について動向を考えているサイト
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu

未来予測の投資論:未来予測の考え方を述べ、投資に活かす理論を述べた本
http://amzn.to/2ickgOC




「武器としての経済学」大前研一著


大前研一氏の、2017年現在の経済トピックに対する答えを集めた作品。
具体的には国債とインフレリスク、日本の株式と不動産、老後への政府方針、中国経済、銀行の将来像といった内容である。
(論拠の要点はメッセージが明確ながら、それぞれ簡潔にまとめられているレベルにとどまる新書形式だ。
本当に自らの投資判断とするには統計やその時々の変化要素も確認する必要があるだろう。)


(内容)
大前氏の他の作品と一貫しつつ、さらに論理を進めている。
例えば消費拡大政策について、「生前贈与しても後から遡って計算して納付させる」現行形式の分かりにくさを撤廃し、年金破綻を宣言しつつ老後への政府サポートを約束して財産相続を加速するなどの内容だ。
政府サポートや相続加速は前の本でも言っていたが、税制まで具体的にふみこんだのはこの本が多分初めてだ。
また、銀行については預金と決済による付加価値提供機会がなくなっていくことを認め、その能力をビジネス創出に使うべきだと主張している。フィンテックの普及に対しての明確なメッセージが出ているのだ。

(比較と特徴)
経済にスポットを当てているため、細かくビジネスモデルの成功要因などまでを見ているわけではないが、方針策定の際に気にするべきトピックをアドバイスしてくれている本という印象だ。経済を考えるのに読んだ方が良い一冊だろう。
(お金の余裕はないが時間はあるという方なら、立ち読みでもおおよその内容はつかめる類いの本であるとも思った)

(参考)
http://diamond.jp/articles/-/211
ダイアモンド誌のインタビューで、「人脈」についての考え方を大前氏本人の実践も含めて語っている。

http://k-tsushin.jp/interview/bbt757/
海外進出など、実際の経済活動をする人側の注意するべきことを述べているインタビュー記事。




カテゴリ

プロフィール

kazunori

Author:kazunori
こんにちは。読書アクセスを運営しておりますカズノリといいます。
趣味は読書とラジオを聴くことです。
本屋をぶらつくのが好きで、仕事帰りや休日に歩き回っています。ネットで色々なサイトも見ながら本の情報を仕入れては、家やカフェ、通勤途中で、読書をして考えごとを巡らせています。

フリーエリア

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる