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読書アクセス
「充実した読書につなげられるような案内作り」をテーマとして、多読のビジネスマンが本の紹介や比較をしているWebサイト
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「スティーブ・ジョブズ」ウォルター・アイザックソン著
iPhoneを発表し、世界をスマートフォン時代に変えたアップル社の創業者であり、強烈な完璧主義で知られたスティーブ・ジョブズのインタビュー伝記。
書き手はベンジャミン・フランクリンやアインシュタインの伝記作家としても知られていて、文章にユーモアが多くて面白いのが特徴だ。

僕がこの本を読書アクセスで取り上げるのは、読み手に勇気を与えるパワフルな本だと思っているからだ。
もちろんこれまで紹介してきた本もそういう目線で選んだものが多い。ただ、一人の物語としてこれほどまでに迫力をもつものとしては、理性的なルービン回顧録http://kazunotesu.jp/blog-entry-19.html?sp、真実を追究する姿勢のファインマン氏の話http://kazunotesu.jp/blog-entry-61.html?spも合わせ、最高の作品の1つだ。

スティーブ・ジョブズのことを知るには、スタンフォード大での演説http://kazunotesu.jp/blog-entry-139.html?spをあわせて聞くのが効果的だと思われる。その声からは強烈なエネルギーをもって周囲を動かしている片鱗が伺われるし、その話からはそのエネルギーの源の一つを知ることができるのだ。

本書を読んで良かったと読者が考えるだろうポイントは次の通りだ。

・スティーブ・ジョブズは自分の感情をたいせつにして、本物の人生をすごしている。周囲に好かれようとか穏やかにやり過ごす好みを持たないがゆえに、それが物語で明るみに出ている。

・スティーブ・ジョブズは苦境をいくつも超えている。男女関係、経済問題、チームワークについて。これってほぼ皆の抱える問題ではないか?

・スティーブ・ジョブズは希望を自分の言葉で語り、希望に向かう自分を決して卑下しない。最高の仕事をしている、自ら最高の才能をもつと信じて進んでいる。

・スティーブ・ジョブズは「幸せだ」と言う。言えないような事柄と精一杯に闘って、自分の人生については「幸せだ」と満面の笑みで言う人なのだ。

・スティーブ・ジョブズは分かりやすい言葉で伝える(スタンフォード大演説のガンの回復など、事実関係については嘘もあるしよく歪曲するらしいが…)。本書にはインタビューから本人の言葉がたくさん登場するし、最終章では本人の持ち続けてきた想いについて多く引用されている(自分の想いとか感情は正直、率直)。
それは社会全体、人類全体に向いたものだ。そうであればこそ、世界中にスマートフォンを届けることが出来たのだろう。

スティーブ・ジョブズは伝記を依頼することを決めるとき、病気だった。関わる業者にも完璧を求めたジョブズは、この著者に依頼すると決めてから何年も依頼を続けて実現させた。
ジョブズは執筆を完全に著者に委ねて読んでいないらしいが、公正に登場人物たちのインタビューを用いて、人物を伝える素晴らしい作品になっていると思う。
読んだら、良い本に出会えたと感じるはずだ。




大前研一氏のジョブズとアップル社評:
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111017/287644/?ST=mobile

冨山和彦氏のジョブズとアップル社評:
http://toyokeizai.net/articles/amp/141518?display=b&_event=read-body

タレント本


本屋のコーナーには、「タレント本」という所がある。写真集の近くに置かれていたりする、タレントの人々が著者となっている本だ。
僕はコーナー分けは、新たな視点に出会うためにも今後は本の内容で決めていくべきではないかと思う(例えば、回顧録や生き方のように人間性を主軸にするものなら、経済界の人の作品も加える)のだが、今は堀江貴文氏の本でさえそこにはなかったりする。
新書コーナーでタイトルを見ることで、新たな視点に十分出会えるということなのだろう。本当に書店としてそれで良いのだろうか?
それはともかく、現状の区分でいうタレント本について、最近の良書を一つ紹介したい。

「日本人失格」田村淳 著
これはタレントであり多くの活動を立ち上げている田村淳氏が、「現代社会の人々が著者にどう見えているか」「田村淳氏のこれまでの回顧」を述べている本だった。
そこでは、七つの習慣で主体性をもつために必要と考えられているような見解が述べられている。それは、「本当にやりたいことを考えて、そのために行動を集中して、それをやるための自身の磨き方を考えていることで、周囲に依存しない楽しい生き方が出来る」というものだ。
本当にやりたいことを考える手段として言われるものが七つの習慣(人生のラストを考える)と本書(本当に楽しかったことを思い出す、刺激を受けに動いてみる)で違っていたり、著述の進み方も違うが、素直に似ていた。
支えている考えは、承認欲求に気をとられて同調圧力を受け入れてしまうことが現代日本の問題であり、それはやりたいことに本当に集中すれば自然と周囲を気にしなくなるから解決するということ等だ。
読んで爽やかな読後感が得られると思うし、ネット上で活動を立ち上げることが出来やすくなっている環境をふまえれば、活動を立ち上げる人の増加にもつながる、社会を活性化させるような本だとも感じる。
[比較と特徴]
お笑いタレントが一般的なテーマで出す本としてみると、他には松本人志さんの作品がある。まず似たところでいうと、松本人志さんも本当にやりたいことに向かって常に新たなチャレンジを起こしている人である。
但し、より一層お笑いの追究者だというところが作品に出ており、何しろその文章さえも笑いの起こるものであり、読み手に理解をしてもらうことをまず第一にする(新書として一般的である)本書とはかなり毛色が違う。
直接的に言うわけではないが読んでいて個をもち磨き続けていることや世間一般への見方を感じるのが松本人志さんの本、ズバリ分かりやすく現代社会に則して述べているのが田村淳さんの本だと思う。


「ルネッサンス」カルロス・ゴーン著


三菱自動車が、ルノー・日産連合の下に統合されるという出来事があり、2016年の12月はニュースを賑わせた。
ルノー・日産といえば、統合を成し遂げ、日産の経営を立て直したカルロス・ゴーンが有名だ。
ブラジル、レバノン、フランスの文化で育ち、アメリカでも長年経営者を務め、これ以上なくグローバル人材なカルロス・ゴーン。
多言語を使いこなし、メモを後から見返すと様々な言語が混ざっていることもあるという。氏によると、考えるときには言語は関係ないというのが実感らしい。

本書はそんな氏が、生い立ちからフランスでの学生時代、ミシュランやルノー、日産での職務を述べた回顧録である。経営や組織を率いるストーリー、特に多くの文化をまとめあげる経緯について述べている。

[読者イメージ]
これから三菱自動車はどのように経営されていくのか、あるいは異文化の経営統合についてなど、興味のある人におすすめの一冊だ。
地域軸と機能軸のマトリックス型の経営を世界規模で取り入れたり、業績への貢献を文化を超えて一元的に評価しつつも地域での自律的運営をある程度任せたり、様々な手法にも言及している。
また、日産リバイバルプランについて自らの振り返りも述べられる。
[視点][比較と特徴]
多国籍企業での働き方を、一番学べる本なのではないか。
当サイトで取りあげている回顧録の中では、論理的な記述よりも行動によるエピソードから読みとる必要が多い部類だ。常にメーカーで、現場に近くあることを心がけてきた人だ。
コンサルタントのような、ロジカルに効率良く、というタイプとは違ったタイプのビジネスマンであると思う。


「巨象も踊る」ルイス・ガースナー著


IBM をパソコン会社からIT サービス会社へと変貌させ、凋落から繁栄へと大きく方向転換させたアメリカの代表的な経営者の一人、ルイス・ガースナーの回顧録。
IBM のトップにいた9年間の他にも、生い立ちやマッキンゼー時代、いくつかの企業の経営層にいた時代などにもふれられている。
[読者イメージ]
分量の多い本なので、大企業経営者の考えていること・戦略コンサルタント後の活躍イメージ・とても優れたビジネスマンの働き方・IBM という企業・一般家庭からの成功者の人生観、の少なくとも1つに大きな興味をもつ人向けだ。
そしてそのような人であれば、記憶に残る本になるだろう。


[視点]
どんな興味から読み進めたのかによるが、企業経営についての本としてみたとき、キーワードとされているのはリーダーシップだ。
巨像も踊る、というタイトルのもとになる言葉が出てくるのはリーダーシップをとって企業改革に取り組んだときの考え方の1つで、
「社内の業務プロセスのうち何が特殊で、何が共通にできることなのかを捉えて組織を作り直すことができれば、巨大企業でもスムーズに動く」という部分だ。
リーダーシップをとってどこに取り組み、どんな成果を出せるのかを問いながら読むことは本書のテーマにそった読み方であると思う。
[比較と特徴]
同じように企業の経営者が回顧録を出しているものは、シティバンクの創業者や日本のコンサルタントOBなどもいる。
そのなかで、30万人規模の企業で業態を変えるレベルの組織改革を成したエピソードは本書だけである。その過程でのリーダーシップについての記述も多く、読んでメモしたくなることがいくつも出てくる一冊だと思う。


「スターバックス成功物語」ハワード・シュルツ著


本書は、スターバックスの実質的な創業者(コーヒー豆の小売店だったスターバックスから独立してカフェを成長させ、元の小売店スターバックスを買収)ハワード・シュルツの回顧録だ。

幼少期からどのようなことを考え、何をポイントとして就職、転職、スターバックス育成へと進んでいったのか。次第に従業員25000人の大企業へと成長したとき、どのような課題があり変革を成し遂げたのか。
これらについて記されている。

[読者イメージ]
ビジネス本としても組織作り・リーダーシップなどの示唆を含む著作であり、「堅苦しいビジネス本は気が進まないけど興味はある。スターバックスは好き」という方にベストな本だ。
もちろん、個性的な事業を始めたいという人も興味をもって読書できるだろう。


[視点]
読み進めるのに有効な視点の一つは、「最高級のコーヒーと最高の接客」を競争力のポイント・個性とする戦略をとった原点は何か、問い続けることだ。
回顧録ならではの内容で、そこには働くことの誇りの追求へと向かわせた著者自身の過去があり、最高級のコーヒーに誇りをもって働く人々との出会いがある。
その上に、成長途中の戦略の選択肢を様々なテーマについて検討する日々やより競争力を高めていく経営への心がけ、危機の克服といったビジネスの示唆があるのだ。

[比較と特徴]
数多くのビジネス本、回顧録と比べて特徴的なのは、これが皆さんにとっても身近であろうスターバックスをテーマとする本であることだ。読みやすさ、興味の入りやすさは抜群である。

僕自身スターバックス(特にTSUTAYA提携店)をよく読書に使うので楽しく読み進められた。
カフェのひとときなど、カフェ業界の巨人による回顧録を読んでみるのはいかがだろうか。



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kazunori

Author:kazunori
こんにちは。読書アクセスを運営しておりますカズノリといいます。
趣味は読書とラジオを聴くことです。
本屋をぶらつくのが好きで、仕事帰りや休日に歩き回っています。ネットで色々なサイトも見ながら本の情報を仕入れては、家やカフェ、通勤途中で、読書をして考えごとを巡らせています。

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