読書アクセス
「充実した読書につなげられるような案内作り」をテーマとして、多読のビジネスマンが本の紹介や比較をしているWebサイト
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「聞き上手話し上手」佐藤可士和 著
ユニクロのカタカナロゴを作り出したことでも知られるクリエイター、佐藤可士和さんが喋りたい人にひたすら会いに行ったインタビューの総集編が本書。
雑誌「UOMO」の企画力なのか、著者のネームバリューなのか、竹中平蔵、大前研一、三木谷浩史、秋元康、太田光、亀田誠治、等々ものすごいメンバーだ。
「どうやって作ってるのか」という話が多くて、そこで気にすること・そこに乗せている目的意識は人それぞれ。
まるで雑誌の面白い記事の集大成であり、ラジオのインタビューのような対談であり、読んでいてとても楽しい作品だ。

(見解)
この本は多くの人との対談なので、その一つ一つに色々なメッセージが出ているが、佐藤可士和さんの発言を辿ると、

・(対談する人の経歴や作品を必ず知っていて、どこにどう感銘を受けたか簡潔にコメントしている。会いたい人に会いに行くのだから自然に知っているのだろうが、対談の序盤に必ず簡潔に伝えている)
・情報があふれ返る世の中だからこそ、その入り口となる外見はすごく大事
・自分一人が張り切っても、プロジェクトをまとめる力がないと、クリエイティブディレクターとは呼べない
・振り返ると「あんなの誰でもできるよ」って言われた仕事の方がいい仕事に分類できる。コンセプトが明快で印象に残る、でも本当は真似できない、ということなので
・いいデザインが浮かぶためにいちばん大事なのは「日常感」みたいなこと。面白い、つまんないと、あまり深く考えずにいろいろ思っているようなことがすごい大事
・注文の奥をちゃんと見て、クライアントが本当に望むことを探り当てて「こっちのほうがよかった」って思ってもらうのがプロの仕事
・顔とかファッション性にも、その人の表現がそのまま出る

…などなど、表現すること、作り出すことについて様々に見解を述べており、対談を通じて佐藤可士和さんのクリエイティブであり続けるための考え方にもふれることができる。ちなみに上記の列挙は、ほんの一部だ。

(比較と特徴)
佐藤可士和さんの本には「超整理術」(http://kazunotesu.jp/blog-entry-94.html?spで紹介)もあり、体系的にデザインの作り方を述べてくれている。
ただし読むときの楽しさでいえば「聞き上手話し上手」が圧倒的で、リラックスして読む内容が印象にしっかり残るというタイプの人にとってはこちらが良いだろう。
美術系のバックグラウンドを持ちつつ経営コンセプトにも深く関わる著者の考え方には、今後分野をまたいで仕事するようなときに指針となってくれる魅力があると感じている。

(参考になりそうな他のサイト)
http://www.13hw.com/interview/16_01.html
佐藤可士和さんがクリエイティブディレクターになるまでの道をインタビューしている記事

https://www.houdoukyoku.jp/posts/8888
佐藤可士和さんが奥さんと共にインタビューを受け、関係などを述べている記事




アクセスVISION:様々な事業について考えているサイト
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
「天職」秋元康・鈴木おさむ著
秋元康と鈴木おさむの両氏が、対談形式で仕事についての考え方を述べている本。
どんな仕事を天職と考えるか、仕事で一流になるのはどんな動き方をしている人か、等仕事についての疑問に一つの見解を示してくれている。

[見解]
夢の種は「おもしろいな」と思えるもので、それに向けて一歩何か動き出せば天職に向けて進んでいける。そして、一流の人はその仕事にあきることがなく、他の人がすごい努力と思うことも当たり前にこなしていく。
[特徴と比較]
上記の見解以外にも企画を通して面白い仕事を実現する工夫など、まるで面白い日々の出来事を楽しく喋るかのように二人の対話で伝えられる。
それもテーマごとに10ページ以内に小まめにまとめられているので読みやすく、ラジオでも聴いているかのように気楽に進めていけるのが特徴だ。
仕事への考え方は、とても「自分の心に耳を澄ますこと」に注力している。
秋元康氏のメッセージには、他にも他人の分析にとらわれず、わくわくするものに一歩ふみこんでがんばることを勧める内容のものが多いと思う。
「みんなが行く野原には野イチゴはない」「(努力は)必ず報われます。問題は、いつどこで報われるのかわからないことです」等。
この二つ目については、秋元康氏の他にも経済人が多く触れていることではある。秋元康氏のことを知らないはずのところでは、アメリカの投資銀行家ロバート・ルービンが確率的に正しい事も、それがいつ起こるかは分からないことを述べ、非常に高い成果を出し続けたことで知られるファンドマネージャーのピーター・リンチは先物取引の危なさの説明で、同じく確率的に正しいことと実現のタイミングを知ることの違いを述べている。

好きなことに夢中になる面白さを、本書のスタンスでなく、もっと表現を強烈なものにして伝えているものにはスティーブ・ジョブズのスピーチがあるだろう。http://kazunotesu.jp/blog-entry-139.html?sp

また、就職活動等で仕事を考えるのに有効なものは大企業もベンチャー企業も経験してきた先人の本「森川亮氏の作品http://kazunotesu.jp/blog-entry-102.html?sp」「松本大氏の作品http://kazunotesu.jp/blog-entry-106.html?sp」だと思う。  

他にも、直接的に自分のしたいことを思い起こしていく「1000の質問http://kazunotesu.jp/blog-entry-117.html?sp」も役立つかもしれない。

ワークライフを考えることは多くの人がずっと続いてきている取り組みだ。人により様々な意見があって発見も多いため、様々な人の本を読むことをおすすめしたい。

~~~~~
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION: 様々な業務を考えてみているサイト

http://amzn.to/2roe9N5
未来予測の投資論: 事業の未来を考える本




「アンネの日記」アンネ・フランク著
第二次世界対戦の最中、オランダに住んでいた中学生の女の子が書いた日記。アンネの感情の豊かさと文章に表現する才能から、世界史に残る戦争の解説本となった。
戦争がどのように日常生活を破壊するかということに加えて、人種差別などの政治的決定が日常生活に与える影響も文章の中に表れている。

[内容]
まず、本書は70年以上前ではあるが中学生の女の子の日記である。
内容は親を好きになったり嫌いになったりする葛藤であったり、クラスの皆のことであったり、将来はものを書くのが好きだから作家になりたいという話だったり、男の子を好きになったり分かりあえなさを考えたりしている話だ。
しかしそこに、「ユダヤ人だから~は禁止されてるんだ」、とか「隠れ家にいると戦闘機の音がする」などの背景が語られており、最後は突然日記が途絶える。隠れ家の摘発である。
[比較と特徴]
本書の特徴は、著者が物事をたくさん考える少女であったこと、感性の豊かさをもって現代にも伝わるような日常生活を扱っていることである。読者は時代や国に関わらず、そこに等身大の暮らしを見出だすだろう。
そこに戦争や差別の影響が入ってくることが、とても多くの読者に「戦争や差別の本当の姿」を伝える結果になっている。
比較対象として「夜と霧」、「全体主義の起源」などがあり、戦争体験や当時の政治の仕組みを解き明かしているが、今と同じような普通の暮らしを、日常生活をベースに描き出していることにより、本書は読んだあとに心のなかで圧倒的な存在感をもつ。

どこか遠くに感じやすい政治の出来事を、感情をもって考えるようになる可能性がある。戦争を考える本を挙げるように言われたら、本書は間違いなく筆頭である。
(関連する話題の記事)
https://matome.naver.jp/m/odai/2141546134079385501
Naverまとめの記事。登場人物の写真などを掲載している

http://geneve.blog.so-net.ne.jp/2010-08-22
ヨーロッパに長く住んだ方が、現代のアンネの隠れ家の様子を伝えている記事
「ワークシフト」リンダ・グラットン著
働くというテーマから、2025年を目安として未来予測の叙述を行い、読み手にキャリアの考え方の見直しをせまる一冊。著者はイギリスの経営論学者で、テクノロジーの進展による仕事内容の変化など、将来の仕事について語られる論点を本書も多く扱っている。

[見解]
インターネットに50億人がつながる世界では、ネットワークを活かして作業する個人事業者の出現が予測される。彼らは小型の起業をしていたり、同業者コミュニティをプラットフォームとして仕事案件をとっていたりする。
このような社会では働き方が多様であり、自身の能力を相手に伝える意識や、専門性強化・他の専門家とのネットワーク構築が課題となる。

この見解を支える考えは、
・クラウドが至るところで利用可能となり、作業をする場所はあまり問われなくなる
・専門性をもたない仕事についての代替はネットワークの強化で簡易になっており、価値は下がる可能性もある

[比較と特徴]
イギリスで評価されている考え方らしく、僕は未来予測の本として参考とすべく読んだ。社会に起きている変化の見方としては、冨山和彦氏の著作の方が統計データもふんだんに用いて事実を分析しており、参考になると思う。

同じ先進国なので似たような分析をしたら似たような結果が出るのではないかと感じるし、このような分析があったら未来の働き方の中に地域の対面型サービス業へのとらえ方は変わるだろう。
どうして冨山氏の著作の方が同じくらい話題にならないのか考えるに、おそらく英語版を出さなければ世界で部数を増やせないし話題を取りづらいのだろう。また、「未来のキャリアを共に考えよう」というテーマ設定の上手さもあると思う。

本書の話に戻ると、ネットワークを活かした小型の事業者という考え方は他の未来予測の本にも登場する。(例えばケビン・ケリーの作品中の集産主義などhttp://amzn.to/2qu205X
本書の特徴は、未来の社会の在り方について働く者の視点を問いかけたことであり、著者自身も他に補うべき内容は各自調べて補うように呼びかけている。事実を知る参考というより、視点だけで身につけて、あとは本当かどうかも含めて自分で調べようという方にとって有用な本だと思う。




「最後の資本主義」ロバート・B・ライシュ著
アメリカの公共政策学者による、資本主義の停滞について問題の本質と解決策を述べた一冊。
2016年の12月に日本で発売されている通り、大統領選におけるトランプ氏の人気から資本主義の停滞を本格的に読み取り、作成されたものだと思われる。
アメリカ社会の不健全な二極化の様子をいくつかの事実を挙げながらレポートし、資本主義と民主主義がうまく機能していない現実と、変革するために国民の知るべき事柄を述べている。
著者自身、ビル・クリントン政権で閣僚だったためか、全体的に熱気を感じる著作である。そして内容も簡潔でわかりやすく、分量の割に読みやすい。

[見解]
自由市場というものは社会の介入無しには成り立たないもので、その介入方法は各種の法令で構成される。現在それはロビー活動で不健全に歪曲され、消費者がツケを払わされている。
能力主義も現在は成り立っていない。社会に富をもたらす能力に応じて給与を決定しているという仕組みはなく、労働組合の衰退と共に社会の中間層は交渉力を持たなくなり給与を減らしてきている。
これらの結果、資本主義経済の先行きへの不安で「消費から貯蓄へ」と守りの動きが出ているし、海外との貿易拡大についても不平等の拡大への警戒から反発する動きが出ている。富裕層への反発も高まってきている。

[比較と特徴]
シンプルに資本主義と民主主義の停滞を述べており、しかも現実の大企業の名前を堂々と出しての不健全な現状指摘も行っており、とても分かりやすい本。
数式などは登場せず、ルールの不正な部分を明るみに出すことで経済の歪みを説明している。
アメリカ社会の弱みをここまで述べている本は他にない。あえて言えば最近のコトラーの作品に学費やCEO報酬の問題が出ていた(http://kazunotesu.jp/blog-entry-123.html?sp)くらいである。
資本主義と民主主義を採用する社会にいる者としては読む価値が大いにある一冊だと思う。
なお、Diamond Onlineにインタビュー記事が掲載されていたので合わせて紹介しておく。http://diamond.jp/articles/-/4136?display=b
~~~~~
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION :事業や業界の動向について、僕の見解を述べているサイト






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こんにちは。読書アクセスを運営しておりますカズノリといいます。
趣味は読書とラジオを聴くことです。
本屋をぶらつくのが好きで、仕事帰りや休日に歩き回っています。ネットで色々なサイトも見ながら本の情報を仕入れては、家やカフェ、通勤途中で、読書をして考えごとを巡らせています。

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