読書アクセス
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「事業」カズノリ著


本書は、事業の盛衰についての理論を事業環境と組織戦略の観点から整理し、それらの調合から株式投資と事業成長のために有効な考え方を導きだしたものだ。
実際に最近の株式銘柄の動きも取り上げて説明するなど、導きだした考え方の活用方法を述べている。



(内容構成)
社会環境と事業の関係・事業を営む組織・事業価値への評価という観点から、事業を論じてきた過去の複数の名著を紹介しつつ、その理論の整合性や適応する条件を考えている。
そしてそれらは、どのように優れた事業を識別するか、どのように事業で成功するかという問いに応えるものとなっているのだ(3つ目の章でその答えとなる知見が再掲され、組み合わせて活用する方法が述べられる)。
参照する名著は当サイトで紹介した数々の作品であり、これらを読んで理論の組み合わせ、活用方法に混乱しているような場合には処方箋ともなるだろう。

本書の値段は僕の他の著作より高めになっているが、実際に理論を活用することで投資や事業から見込まれる利益に比べたら、お得な価格なのではないかと思っている(かといって更に価格を上げるのは、数々の名著に憚られた)。
事業の仕組みに興味がある方、アクセスVISIONの背景の理論に興味がある方は、読んでみてもらいたい。

http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION:様々な事業や市場について考えているサイト
2017年を振り返って


今年も、いよいよ大晦日である。
2017年には、アクセスVISION
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
の拡大と、トピックVISION
http://topicvision.jugem.jp/
の新設、東京探検ゲーム
https://tokyoeg.blogspot.jp/2017/11/start.html?m=1
の新設があった。
東京探検ゲームはこの一週間アメリカからしかアクセスがないという結果になっているが、日本の僕の好きなアーティストのYouTube動画やいくつかの僕の写真が日本への理解につながっていると考えると、意味があったと思う。

2018年はさらに、
優れた読みものへのアクセスを充実させていき、
さらにそこで得た知識を自ら活用して事業動向の予測を伝えることを継続することを強化し、
事業以外についての様々なトピックの情報整理も少しずつ行っていきたい。
事業動向の予測は、当たり外れの確認も定量的に行い、教科書や新書を超える本当に力のある理論を構築する。それはいずれ、実際に力のある事業を育み、作り出すことに寄与するはずだ。

株式で見るかぎり、2017年は日経平均以上にスクリーン関連事業の銘柄全般が伸びており、未来予測の投資論に述べる予測は当たっていた。
けれども未来予測の投資論は、事業のからくりを解き明かし、もっと構造的に説明を加える余地を残している。
事業が多く組み合わさって社会を形成しているその構造について、事業の中に人の作業が多く組み込まれているその構造について。

おそらく読みものは十分に集めているので、それを再整理して動向予測の背景装置とするに十分なくらい仕上げるのが2018年初め(休みの多い1月上旬)の仕事だ。

今年も、記事を読んでいただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
「地球の論点」スチュアート・ブラント著


地球全体の出来事について常に関心をもち、かつてはホールアース・カタログも記した人物による作品。著者は、興味の赴くままに雑誌編集する編集長兼活動家という印象だ。
この本では地球環境に対して焦点をあてて話が始まっている。

(見解)
著者の調べでは、地球の気候システムは本書の出た2011年で解明されておらず、1万3000年前の気温15度低下や5500万年前の水温8度上昇なども再発防止策は不明。
気候システムと経済システムが調和するように、気候システムの解明に力を向け、動きをチェックする意識が必要だと述べる。
また、生態系については、人類による変化の歴史は長く自然なことであり、遺伝子組み換えを含むバイオテクノロジーが合成生物学として21世紀を牽引するのは間違いないと述べる。

(内容)
気候システムの調査や世界中への取材による話が散りばめられた一冊。ケビン・ケリーの著作といい、アメリカには世界中の見聞をまとめたような作品が多くある印象である。
本書で上記の見解の他に印象的だったのは、日本のかつての経済成長と直近の停滞の説明を、労働人口の動きそのものと述べているところだ。
デービット・アトキンソンも著作http://kazunotesu.jp/blog-entry-143.html?spで同じことをより根拠をつけて述べていたが、海外から現象だけを素直にみるとそのように考え至るのだろう。
「技術の強さ、職人技etc.」を作り出すのも人なので、人が多ければ育つ可能性も高いというのも一理あるように思う。
日本の文化や教育熱心な風土も影響はあると思うが、人がいてこそである。

未来予測の本としては、地球環境という論点が他の本と比べて新しい。本書を読むことで、地球の気候や生態系への意識は少し深まると感じる。
(参考)
http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/19/10-11.html
国立環境研究所による、スーパーコンピューターの活用による気候予測の説明。コンピューターやセンサーの性能の高まりにより、今後さらに精度が高まっていくのだろう。

(その他)
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION:様々な事業の動向を考えている斉藤
「企業価値4倍のマネジメント」火浦俊彦著


企業経営について、ベイン社における戦略の定型的な設計方法とオペレーション体制を述べた本。
ベイン社はすかいらーくの再建などを成し遂げたベインキャピタルを立ち上げたりと、その知見の活用を本業の経営コンサルティングからさらに広げてきた企業としても知られる(資本関係はないらしい)。
戦略策定での必要な考慮事項が多くあるため、気を付けながら何度も繰り返し策定して上手になっていくのだろう。


(概要)
・企業戦略と事業戦略は分けて考えるべきもので、企業戦略では本社と事業部の役割を規定することが必要。
・事業戦略は「外部分析、事業のライフステージ分析、市場定義、トップシェアをとるための戦略、目標数値と個別施策を結びつけて明確な設計図にすること」が必要。
・KPIを現場の行動→現場の成果→財務成果と3階層で設定することが計画実行のために必要。
・戦略を作ったらその実現にフォーカスして設計された組織を作り出すことが必要。注目するのは意思決定のプロセスに関わる人の定義で、「起案・情報提供・規制等調査・意思決定・実行」の5段階について効率化・役割明確化をしていること。
・財務指標以外に、事業の実態をみるためには顧客の感動体験を測る指標をもつことが必要。「友人にすすめるか」の指標を使うのが現状最も効果的。

(比較と特徴)
大前研一氏や冨山和彦氏の著作の方が内容は簡潔であり、全体感をつかんで動くのには良いだろうし事業を自ら進める人にもおそらく効果的だろう。
本書は「特に大企業の組織と向き合いながら業務を進める時」に役に立つような細かさ、具体的図表の取り込みようであり、大企業で実務として詳細まで考える必要に迫られた場合に読むものではないかという読後の感想をもった。ただしそのような場面であれば力を発揮してくれるはずだ。

(参考)
http://diamond.jp/articles/-/54404
著者がコンサルタントとして考えていることについて述べているインタビュー

https://industry-co-creation.com/management/5009
著者が登壇者の一人となって経営者に求められるメンタリティを述べている会議の議事録。当サイトで著作を扱った熊谷正寿氏も出ている。

(その他)
事業分析と動向予測:アクセスVISIONの背景にある論理や技術について図表化しつつ整理した本
http://amzn.to/2Aqz7jU

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「デジタルマーケティングの教科書」牧田幸裕著


デジタルマーケティングについて、戦略コンサルティングやIBMでの業務経験を積んできた著者が解説する本。
マーケティングの基本プロセス、そこにデジタル技術が起こす変革を述べている。
現在はスマートフォンの普及率が急速に高まり(H29情報通信白書で、日本は20代、30代の保有率が90%を超えている)、スクリーンも日常目にする機会が日に日に増えてきているデジタル化の過程にある。デジタル化のビジネス影響を知ることの重要性を感じている方は多いに違いない。この本はそのうちマーケティングについて様々な考え方を分かりやすくまとめてある良書である。



(概要)
マーケティングのプロセスは
①環境分析: 政治、経済、人口動態や行動様式、テクノロジーのうち事業に関わるものの分析
②戦略立案: 顧客のセグメント分け、成長性やアプローチ可能性でターゲティング、差別化の方針確定
③戦略実行: 施策をどんどん試していく
④戦略管理: 戦略が当たっているか指標を測定しつつ判断、施策に改良を加えたり取捨選択を進める

という順で進めていく。
このうちデジタル化は消費者の行動様式に変化を加え、企業からのアプローチ方法にも変化を加えてきている。
消費者は購入前にスマホでの検索、購入後にレビューの共有を行うようになったし、
企業はリアル店舗とオンラインサービスを連携し、一人一人に最適化された顧客体験や物流の効率化を実現するようになった。

(比較と特徴)
現代のマーケティングの本は本書でも引用される有識者であるコトラーからも出ている(当サイトの記事)が、特にデジタルとマーケティングの話を深堀りし、さらに日本での2017年後半までの先進的な事例を解説してくれているという点で本書は特徴的である。

(参考)
デジタルマーケティングの実践についての日本コカ・コーラ担当者インタビュー記事
http://www.cocacola.co.jp/stories/digital_marketing
アプリを展開してアプローチしてきた経験が述べられており、スピーディーに試して改善することがデジタルマーケティングに効果をもつのだろうと考えられる。

https://webtan.impress.co.jp/e/2016/11/15/23742
コンサルティングの大手アクセンチュアのディレクターによるデジタルマーケティングのインタビュー記事。
業務の現場で役立つKPI(成否の指標)の設定と、管理を責任もって行える組織の設立が成功の鍵であるということが述べられている。

以上から分かるのは、マーケティング施策のターゲットやメッセージなどの戦略を定めたら責任組織とKPIの一覧表を作り、スピーディーに実施と改善をするのが良いということた

(その他)
アクセスVISION:様々な事業について動向を考えているサイト
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu

未来予測の投資論:未来予測の考え方を述べ、投資に活かす理論を述べた本
http://amzn.to/2ickgOC
「武器としての経済学」大前研一著


大前研一氏の、2017年現在の経済トピックに対する答えを集めた作品。
具体的には国債とインフレリスク、日本の株式と不動産、老後への政府方針、中国経済、銀行の将来像といった内容である。
(論拠の要点はメッセージが明確ながら、それぞれ簡潔にまとめられているレベルにとどまる新書形式だ。
本当に自らの投資判断とするには統計やその時々の変化要素も確認する必要があるだろう。)


(内容)
大前氏の他の作品と一貫しつつ、さらに論理を進めている。
例えば消費拡大政策について、「生前贈与しても後から遡って計算して納付させる」現行形式の分かりにくさを撤廃し、年金破綻を宣言しつつ老後への政府サポートを約束して財産相続を加速するなどの内容だ。
政府サポートや相続加速は前の本でも言っていたが、税制まで具体的にふみこんだのはこの本が多分初めてだ。
また、銀行については預金と決済による付加価値提供機会がなくなっていくことを認め、その能力をビジネス創出に使うべきだと主張している。フィンテックの普及に対しての明確なメッセージが出ているのだ。

(比較と特徴)
経済にスポットを当てているため、細かくビジネスモデルの成功要因などまでを見ているわけではないが、方針策定の際に気にするべきトピックをアドバイスしてくれている本という印象だ。経済を考えるのに読んだ方が良い一冊だろう。
(お金の余裕はないが時間はあるという方なら、立ち読みでもおおよその内容はつかめる類いの本であるとも思った)

(参考)
http://diamond.jp/articles/-/211
ダイアモンド誌のインタビューで、「人脈」についての考え方を大前氏本人の実践も含めて語っている。

http://k-tsushin.jp/interview/bbt757/
海外進出など、実際の経済活動をする人側の注意するべきことを述べているインタビュー記事。


再分配システム設計業務


※本記事は、普段アクセスVISION (http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu)で記している事業や市場の動向記事の特別版だ。
(長めの記事になることが予測され、広告が極端に多いgooブログを避けた)

デジタル化の進む世の中にあって、僕たちは様々な業務効率化、作業の自動化を目の当たりにしている。
2016年12月に出された内閣府の統計(平成27年度国民経済計算:フロー編)によれば、国民総所得(大雑把に言えば、個人の所得+資産配当+企業の利益)について
1994年度には総額368兆円→2015年度には総額388兆円と、大体20年で5%増えている。
(ちなみにこのデータを見にいって、
・1994年度には給与総額262兆円→2015年度には給与総額263兆円
・1994年度には企業利益65兆円→2015年度には企業利益99兆円
という結果であることに気づく人がいるかもしれないが、この20年に生産年齢人口は8700万人から7700万人へと減っているので、実質的に給与水準は豊かになっている。
失業率も低く、今の論点はほぼ労働者間の給与格差にしぼられていると言えるだろう。)

直近20年の、労働者が減る環境下で約5%伸びた富は、効率化の賜物である。そしてここからは、減りつつある働いている人々への富の集中が推測される。
野村総研の調査(https://www.nri.com/jp/news/2016/161128_1.aspx)・金融広報委員会調査によれば日本に約5000万世帯あるうち約100万世帯が金融資産一億円超である一方で、半数以上は一千万円を下回る。

当然、日本よりも失業率が高かったり報酬格差に寛容な他国では、さらなる格差が存在することだろう。
この格差は、デジタル化が技術力のある人々に富を集中させる特性をもつことから、「単純作業のロボット代替」等を通して広がることが予測される。
放っておけば反発は何かの形で噴出していくだろう(例えば産業革命では資本家への反発で共産主義の革命が起きた)。
かといって再分配をきつくしすぎれば自発的な労働へのインセンティブが失われ、社会全体が停滞する(20世紀の社会主義国は相対的に貧しい)。

そこで必要とされてくる業務の1つは、上記のような両極のトラブルを起こさない再分配システムの設計業務だ。
業務プロセスは次の通り。
①成功者の出した成果のうち「その人個人の努力によるもの」「社会制度のサポートによるもの」を情報整理する
②人々の感情、報酬体系、税制度、法制度等への理解をもとに適切な調整システムを設計する
③様々な場で提案・意見調整をおこない、報酬を受けとる

これは具体的には様々な形をとるだろう。
議員、官僚、政府の委員会委員、企業の人事部、このテーマを扱う本やブログの作者、このテーマを扱う学問の研究者などだ。
競争のポイントは共通で、
①について整理の正確さと分かりやすさ、
②について現行のシステムや同時代の人々の感情への理解の深さ、
③について表現や話し合いの上手さ
である。

現在はニュースを見て分かるとおり、富の分配についての不満が選挙などで意外性さえ伴って表面化する時期に入っている。
意外性があったというのは、情報流通に携わるような人々(新聞やニュース番組の作り手や対象視聴者であり、経済力を比較的持つ人々と推測される)が思っていた以上に再分配が上手く進んでいなかったということであり、
その表面化に対応を迫られていることからは、再分配システム設計業務にお金が動くということである。
それでは解決までに、今後どのような動きが出てくるだろうか?

かつての産業革命のときと違うのは、多くの生身の意見がインターネットを通して表れるだろうことだ。
「勉強や仕事に多くを費やしてきたのに、私的な幸せをあまり得られない不満(それなのに再分配させられるのか、という声)」「日々の労働の中で感じるリアルな賃金格差への怒りの声」等々、遠い境遇の人々についても生身の声を聞くことになることは間違いない。
そしてこのことは、今回の富の再分配問題がより深く感情の問題に結びつくことを予測させる。
富の再分配論争は、お金がないから始まるのではなく、幸せに生きられないと思う人々が多く現れるから起こるからだ。幸せに生きていけるシステムだ、という納得を広く得られるまで本質的に続くことになるだろう。
そしてシステム設計は経済だけでなく、一般的に個人の人生がどのように進むか、そこでどのように幸せを見つけていくのかというレベルまで深められるだろう。(ここまで考えなければ、競争相手と差別化して勝てなくなるはずだ)

これはビジネスチャンスと言える。
再分配システムの設計に関わる知識やデータを集め、然るべき職務につけば利益を得られるというチャンスが、学問的な専門家にとどまらず広く開かれているということだからだ。
例えば特定の生活環境にある人が、同じような環境の人々の感情を整理して表現でき、解決する修正案を出せるのであれば、それが注目を集める可能性もある。ネット広告事業のような収益モデルを組むことも可能だ。

以上から、
再分配システム設計業務はデジタル技術の発展に伴って必要とされてきており、
今後はその解決に「過去のどの時代よりも精密な感情への考慮」が含まれるようになる。このテーマを扱う選挙やニュース報道、書籍やブログ、研究はそうした内容になっていく
というのが僕の見解である。

(参考)
幸せについて75年以上研究プロジェクトを行っているハーバード大学が見解を述べている動画(日本語字幕付き)
https://www.ted.com/talks/robert_waldinger_what_makes_a_good_life_lessons_from_the_longest_study_on_happiness?language=ja
人間関係の質(本人の本当の満足度)と健康面・精神面の幸福度の相関を指摘している。長く当たり前に言われてきたことなのに地道な努力を必要とするもので、自ら人間関係を形成していく努力を必要とするのだ、と述べる。

日本の格差を様々な観点から分析した内閣府調査(委託先:みずほ総研)
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2015/__icsFiles/afieldfile/2015/08/27/27zen17kai7.pdf
格差の経済指標で実体としてみたり、アンケートで感情面もある程度リサーチしたりしているレポート。

いろいろな幸福論の古典について述べた記事
http://kazunotesu.jp/blog-entry-40.html?sp
「How Google Works」エリック・シュミット他


この本は、検索の領域で世界最大となったグーグル社の経営陣が、彼らの出身地であるシリコンバレーと伝統により、後輩へのアドバイスとして経営の思想を伝授するべく世に出した作品だ。

・どのようにしてデジタル化の進んだ時代に大きな成功を収められるだろうか
・何でみんな楽しそうにして、立派に成功しているのか
という誰もが多かれ少なかれ持っているだろう興味に応えてくれていると思う。文体に遊び心があって面白いので直接読むことをおすすめするが、ここではその内容について読んで少し紹介を行いたい。


(内容)
企業には第一に文化が必要だ。
経営陣や従業員の1人1人、何かの決断を迫られるときがある。
そのときにどのように答えを出すかという無形の雰囲気が企業の文化だ。例えばグーグル社には「邪悪になるな」という文化があるし、「ユーザーを第1に考える」という文化がある。
ユーザー第1はグーグルchromeを使って感じる通り、日々使い勝手を向上することに役立っているし、社内では経営陣まで本気で遂行することへの信頼が従業員の本気の能動性を引き出している。

次に戦略が続く。従業員たちの努力や資本を向かわせるのに、常に技術・プロダクトの向上を優先し、(文化とも通じるが)ユーザーに有意義であることからオープンを原則とするのだ。
これは例えば日本の携帯キャリアに見られるような囲いこみ文化の撤廃、プロダクトやサービス自体の優位への挑戦に会社を向かわせることを意味するだろう。

次が人材だ。人材は最も大事とよく言われるが、グーグル社も前述のように魅力的な文化を築き上げ、成長を真っ直ぐに志向する企業となっているものの人材を集めていくことに特に注意をしているという。
例えば抜群にスゴい人を従業員に連れてきてもらうように呼びかけたり、質問をどのようにするか考えていたりというアクションにより「情熱と知性、誠実さと独自の視点を持った理想の候補者」を得ようとしている。
採用活動への協力が人事評価に関わるというところにも本気度を感じる。

(見解)
読めば読むほどにグーグル社の世の中を変えようという熱意や求心力を感じる。入社して活躍するにはプログラミング等で技術者としての力を持たないと厳しそうだが、、
従業員が経営陣まで本気の文化を信じ、良い働きをしようと自ら動くことに良い職場だと感じる。しかもそれが経営陣の戦略によって優れた成果へと収束されていくのだ。それが利益になり、良い給与にもなる。
こんな会社を築き上げるのはすごいことだ。
事業をするならこんな雰囲気の組織を築き上げたいと思うような会社である。
(参考)
TEDの創業者インタビュー動画
日本語字幕を入れてくれている、グーグル創業者ラリー・ペイジ氏のインタビュー動画。未来を見通し作り出すことへの集中、好奇心によって進んでいること等を述べている。

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO21757530R01C17A0EA2000
グーグルCEO(スンダル・ピチャイ氏)インタビュー
(その他)
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu
アクセスVISION:
ビジネスモデルを様々に考え出しているサイト

https://tokyoeg.blogspot.jp/2017/11/start.html
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「ジョブ理論」クレイトン・クリステンセン著


本書はイノベーション三部作(http://kazunotesu.jp/blog-entry-26.html?sp)の著者であるクリステンセン教授が、イノベーションを起こして成果を出すようなビジネスモデル策定の視点を示すものだ。
内容は「イノベーションの最終解」の中で破壊的イノベーションの理論を支える視点として述べられている“片付けるべき用事“だ。
元々イノベーションの進出先として市場を考えるとき、クリステンセン教授は顧客層を
①今は無消費の潜在的な顧客
②今のサービスや製品を一部過剰だと考える顧客
③今のサービスや製品に飽き足らない顧客
という三分類にして、それぞれに対応するイノベーション戦略を具体的に考え出した。それが

1新市場型破壊的イノベーション
2ローエンド型破壊的イノベーション
3持続的イノベーション

だ。ここまで判別できるとイノベーション戦略のための研究開発やビジネスモデル変革ポイントが明らかになり、チームの体制も目的に合わせた設計方法があるので成功しやすい。
それがイノベーションの最終解なのだが、そもそもどうすれば顧客の分類が出来るのか、特に無消費層を見つけられるのか分かりにくいという課題が出たらしく、本書の執筆に至ったらしい。


(見解)
イノベーション戦略のためには顧客を知ることが重要で、それはビッグデータを集めて分析した統計を眺めていても見つからない。顧客の今の行動を後付けで説明するのがうまくなるだけだ。
そうではなく、顧客が当該製品やサービスで片付けようとしている用事(ジョブ)を知ることが大事だ。
そのためには顧客を観察し、おかれている状況と課題の理解、解決に至っているポイント、それらのストーリーごとに細分化することが必要だ。

(比較と特徴)
イノベーション理論の最も基本となる一ポイントに特化した作品。
この理解に基づいて組織を再設計し、狙ったイノベーションに向けて突き進むためにはイノベーションの最終解を始めとした他の著作に進むことが必要だ。

ただし、所属する企業などでデータ分析のマーケティングを偏重しすぎてうまくいかなくなったり直観と離れた施策が出てきて不安になる時など、本書を読んでいれば上手く覆す解決策が見つかるかもしれない。
読んで力になる一冊だと思う。
(参考)
Forbesのインタビュー記事
クリステンセン教授が日本をテーマに話しているインタビュー記事。日本語。

講演会の記事
クリステンセン教授の講演会記事。本書の内容にも近く、読みごたえがある。

https://www.forbes.com/sites/forbestreptalks/2016/10/03/clayton-christensen-on-what-he-got-wrong-about-disruptive-innovation/#42391093391b
Forbes誌によるインタビュー。本書についての言及もある。ここではジョブ理論の効用として例え話を用い、「自動車の運転手により良い製品を聞いたら運転の快適さや速度、サイズの話をするだろう。しかし彼が自動車でマックに行き、オフィス代わりにして仕事をするところを見たら、オフィスとして使える自動車の開発を検討できるだろう」と述べて顧客目線の発想の広がりを指摘している。
この視野の広さは、開発のみでなくデジタルでサービスをどんどん拡大できる分野でも活躍すると思われる。

(その他)
アクセスVISION:ビジネスモデルを考えるサイト
http://blog.goo.ne.jp/kazunotesu

事業分析と動向予測:アクセスVISIONの背景にある論理や技術について図表化しつつ整理した本
http://amzn.to/2Aqz7jU

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https://tokyoeg.blogspot.jp/2017/11/start.html

「スティーブ・ジョブズ」ウォルター・アイザックソン著
iPhoneを発表し、世界をスマートフォン時代に変えたアップル社の創業者であり、強烈な完璧主義で知られたスティーブ・ジョブズのインタビュー伝記。
書き手はベンジャミン・フランクリンやアインシュタインの伝記作家としても知られていて、文章にユーモアが多くて面白いのが特徴だ。

僕がこの本を読書アクセスで取り上げるのは、読み手に勇気を与えるパワフルな本だと思っているからだ。
もちろんこれまで紹介してきた本もそういう目線で選んだものが多い。ただ、一人の物語としてこれほどまでに迫力をもつものとしては、理性的なルービン回顧録http://kazunotesu.jp/blog-entry-19.html?sp、真実を追究する姿勢のファインマン氏の話http://kazunotesu.jp/blog-entry-61.html?spも合わせ、最高の作品の1つだ。

スティーブ・ジョブズのことを知るには、スタンフォード大での演説http://kazunotesu.jp/blog-entry-139.html?spをあわせて聞くのが効果的だと思われる。その声からは強烈なエネルギーをもって周囲を動かしている片鱗が伺われるし、その話からはそのエネルギーの源の一つを知ることができるのだ。

本書を読んで良かったと読者が考えるだろうポイントは次の通りだ。

・スティーブ・ジョブズは自分の感情をたいせつにして、本物の人生をすごしている。周囲に好かれようとか穏やかにやり過ごす好みを持たないがゆえに、それが物語で明るみに出ている。

・スティーブ・ジョブズは苦境をいくつも超えている。男女関係、経済問題、チームワークについて。これってほぼ皆の抱える問題ではないか?

・スティーブ・ジョブズは希望を自分の言葉で語り、希望に向かう自分を決して卑下しない。最高の仕事をしている、自ら最高の才能をもつと信じて進んでいる。

・スティーブ・ジョブズは「幸せだ」と言う。言えないような事柄と精一杯に闘って、自分の人生については「幸せだ」と満面の笑みで言う人なのだ。

・スティーブ・ジョブズは分かりやすい言葉で伝える(スタンフォード大演説のガンの回復など、事実関係については嘘もあるしよく歪曲するらしいが…)。本書にはインタビューから本人の言葉がたくさん登場するし、最終章では本人の持ち続けてきた想いについて多く引用されている(自分の想いとか感情は正直、率直)。
それは社会全体、人類全体に向いたものだ。そうであればこそ、世界中にスマートフォンを届けることが出来たのだろう。

スティーブ・ジョブズは伝記を依頼することを決めるとき、病気だった。関わる業者にも完璧を求めたジョブズは、この著者に依頼すると決めてから何年も依頼を続けて実現させた。
ジョブズは執筆を完全に著者に委ねて読んでいないらしいが、公正に登場人物たちのインタビューを用いて、人物を伝える素晴らしい作品になっていると思う。
読んだら、良い本に出会えたと感じるはずだ。




大前研一氏のジョブズとアップル社評:
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111017/287644/?ST=mobile

冨山和彦氏のジョブズとアップル社評:
http://toyokeizai.net/articles/amp/141518?display=b&_event=read-body



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kazunori

Author:kazunori
こんにちは。読書アクセスを運営しておりますカズノリといいます。
趣味は読書とラジオを聴くことです。
本屋をぶらつくのが好きで、仕事帰りや休日に歩き回っています。ネットで色々なサイトも見ながら本の情報を仕入れては、家やカフェ、通勤途中で、読書をして考えごとを巡らせています。

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